ぼくは運動音痴だ。
こどもの時は別として、
キャッチボールさえ満足にできないのだから、
もはや運動神経が切れているというより、
消滅してしまったのではないかとさえ思える。
その分、
スポーツ観戦は好きだ。
ひとつの試合そのものも面白い。
だが何十年も見ていると、
ある選手のデビューから引退まで、
例えばプロ野球の清原、桑田など、
甲子園球児だったころから知っているわけで、
その浮沈というか、
競技人生に、
自分の生きざまを重ねもする。
特にゴルフなどメンタルな要素の強い競技に言えるのだが、
経験を積むことがマイナスになることがあるように思える。
今、
男子ではプロデビューした石川遼が飛ぶ鳥を落とす勢いだ。
彼に実力があることは間違いないが、
快進撃を支えているのは、
「怖いもの知らず」だという面は多いにあるだろう。
痛い経験を重ねれば、
心では思いきっていても、
体が踏み込めなくなってしまう。
石川の大先輩にあたる中嶋常幸は若いころ、
日本のゴルフ界を尾崎や青木らとともに支えてきたが、
そんな彼でも一時は、
パットがまともに打てないほどの状態に落ち込んだ。
いわゆる「スランプ」だ。
体力は特に問題なし。
技術は若いころより上達している。
なのに成績が芳しくない場合、
それまでの経験が悪い方向に作用している場合がある。
スランプに見舞われた時、
トップアスリートらはどう克服しているのかというと、
これはもう「練習」しかないようだ。
いつもと同じメニューを繰り返し、
結果が出なくても腐らず続ける。
時間の長短はあっても、
いつか抜け出る日がくることを信じる。
変に試行錯誤すると、
かえって泥沼に落ち込むこともあるようだから、
その辺は要注意だ。
人生だって似たようなところがあるなと思う。
経験が悪さして思いきれない。
ふっ切ったつもりでも、
体が拒絶する。
「それはやめといた方がいいよ」
内なる囁きは、
経験の賜物ともいえるけど、
俗にいう「弱気の虫」の場合もある。
確かに正解であることが多い。
そんな時は、
ただフフンとやり過ごすのみ。
いつか体が、
「行こうよ」
と言い出すまで、
そこに留まるしかない。
じっと耳をすまして、
「自分」の声を聞く。
「ゴー」なのか「ステイ」なのか。
ひたすら聞く。
肝心なのは、
「ゴー」の声を聞き洩らさないことだ。
●近所にできた大型店に、4日連続通っている母。まだ誰も知り合いに会わないそうで「みんなサボってるわ」と愚痴る。地域活性化にも燃えているのだな●ちょっと久しぶりにたなかりかさんのライブへ三宮・グレートブルーへ。彼女の唄は、いわゆる「ソウルフル」なんだよ。こっちの魂をわしづかみする感じ。
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