2008年11月8日土曜日

TK

TK逮捕。

彼のことは、
特別好きではなかったけど、
90年代といえば、
ぼくが20代後半から30代前半にかけて。
彼の生んだ楽曲がぼくに影響を及ぼさない訳はなく、
正直驚いた。

もはや手元にない著作権を譲ると言って、
5億円をだまし取ったという。
本人も認めているようだし、
絵に描いたような詐欺罪だ。
専門家によると、
5年ほどの実刑判決が下る可能性がある。

連日マスコミをにぎわしていて、
彼のことをよく知らない母でさえ、
「そんなに借金があるのに、家賃280万円のところに住んどったらあかんワ」
と言う。
母に限らず世間一般、
そういう見方が多いのだろう。

見栄を張らず、
コツコツ借金を返していればよかったと。

「落ちた時代の寵児」

そう括るのはたやすいけど、
ぼくは、
それほどに割り切れない。

彼は音楽が好きだった。
そして才能があった。

時代とマッチして、
作った楽曲は売れに売れ、
一時の年収は30億円とか。

アジア進出を目指し香港に会社を設立。
ところが株が暴落して、
一気に数十億円の借金を背負った。。。

大体そういう理解をしているんだけど、
彼が数十億円の負債を抱え込んだということは、
それだけの金が誰かの懐に入ったということだ。

彼はミュージシャンであって、
実業家ではなかった。
その彼を「利用」してひと儲けした者たちがいる。

1年365日、
借金のことが、
彼の頭から離れることはなかっただろう。
家屋敷、
売却可能なものはすべて抵当に取られ、
おまけに前妻への7億円ともいわれる慰謝料の支払いもある。

そんな状況で、
まともな判断などできゃしない。
ましてや、
いい楽曲を作れるはずもない。

数十億円なんて、
ぼくは抱えたことも、
背負ったこともないが、
借金を返すためなら、
嘘でも誤魔化しでも何でもやってしまう、
そういう心持ちは、
ぼくは分かる。

地獄にいる人は、
自分が地獄にいることにさえ気づかない。




彼をそこに突き落としたのは誰か。。。




彼の今の妻は彼を支えると言っているそうだ。
TMネットワークで一緒だった二人も、
彼ともう一度音楽をやりたいと。

彼のことを信じている人がいる限り、
彼は立ち直ると思うし、
ぼくは、
こんな状況でも信じてくれる人がいる彼を、
断固応援する。


●DEPARTURES。好きだ。「どこまでも限りなく 降り積もる雪とあなたへの想い 少しでも 伝えたくて届けたくて そばに居て欲しくて 凍える夜 待ち合わせも出来ないまま 明日を探してる いつだって思い出をつくるときには あなたと二人がいい」●TKと同じように数十億の借金を盟友の裏切りで背負ったYAZAWAは見事完済した。グレイトだ●日経7日夕刊「人間発見」--クライマー山野井泰史さん「ボクとしては70歳、80歳になっても、(妻の)妙子と小さな岩にでも登れれば最高の人生だと思っています。自分にとって山で死ぬことはごく自然なことです。ある日、山で突然、死が訪れても覚悟ができています。どんな悲惨な死に方をしても、悲しんでほしくはありません」

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