龍馬伝が失速している。
あくまでぼくの中でだけど。
「日本を洗濯する」と宣言した後、
第3部に入ってからがどうもいけない。
歴史物の宿命として、
史実に縛られるという辛さはあるだろうが、
この失速感は、
史実に追われていることが原因だと感じる。
動乱の幕末、
矢継ぎ早に起きる事象を、
なんとか辻褄合わせするために、
脚本の方が引きずられている。
新しい登場人物が次々に出てきて、
それらの人々と龍馬の関係が深く描かれる前に、
出来事が起きてしまう。
だから感情移入できないのではないか?
お龍と龍馬は結婚する。
それは史実なのだけれど、
ドラマで見ている限りは、
なぜ二人が恋に落ちたのかが、
もひとつピンとこない。
そりゃ、
数回会っただけで恋に落ちる、
事実とは案外そういうものかもしれないけど、
ドラマとしてはやはり説明不足だろう。
こうなると、
脚本が史実に引きずられているのか、
脚本が史実に寄りかかっているのか、
つまり、
「実際そうだったんだから」という言いわけなのか、
よく分からなくなってくる。
先日の第36回「寺田屋騒動」もそう。
結局龍馬は一人も殺さずに窮地を脱出するわけだが、
どうせドラマなんだから、
大立ち回りを見てみたいのも人情。
たとえ峰打ちであっても、
バッタバッタとやってほしかった。
あれだけ剣術の修行をしたのに、
肝心の時にはピストルを威嚇発射し、
相手を人質にとって逃げるというのでは、
やっぱり見ていてスカッとしない。
それに、
逃げた材木倉庫の屋根で龍馬が思いだす人の中に、
あれほど慕っていた姉の乙女がいないのも気になった。
脚本家も当然そんなことは分かっているのだろうが、
何せ年末までに終わらせねばならぬから、
人物を書きこむ余裕がないのだろう。
時間配分を間違えたのならいっそ、
放映期間の方を延ばしたらいいのに。
龍馬をそんなに早く、
殺さなくてもいいのに、、、
いや、
いっそのこと、
最後は史実を捻じ曲げて、
龍馬は殺されず、
明治政府にも入って日本を大改革みたいな、
完全なフィクションに転換して、
来年の大河に引き継いだらどうだろう。
ねぇ、
NHKさん。
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