2010年9月7日火曜日

史実

龍馬伝が失速している。

あくまでぼくの中でだけど。

「日本を洗濯する」と宣言した後、
第3部に入ってからがどうもいけない。


歴史物の宿命として、
史実に縛られるという辛さはあるだろうが、
この失速感は、
史実に追われていることが原因だと感じる。

動乱の幕末、
矢継ぎ早に起きる事象を、
なんとか辻褄合わせするために、
脚本の方が引きずられている。

新しい登場人物が次々に出てきて、
それらの人々と龍馬の関係が深く描かれる前に、
出来事が起きてしまう。

だから感情移入できないのではないか?


お龍と龍馬は結婚する。

それは史実なのだけれど、
ドラマで見ている限りは、
なぜ二人が恋に落ちたのかが、
もひとつピンとこない。

そりゃ、
数回会っただけで恋に落ちる、
事実とは案外そういうものかもしれないけど、
ドラマとしてはやはり説明不足だろう。

こうなると、
脚本が史実に引きずられているのか、
脚本が史実に寄りかかっているのか、
つまり、
「実際そうだったんだから」という言いわけなのか、
よく分からなくなってくる。

先日の第36回「寺田屋騒動」もそう。

結局龍馬は一人も殺さずに窮地を脱出するわけだが、
どうせドラマなんだから、
大立ち回りを見てみたいのも人情。

たとえ峰打ちであっても、
バッタバッタとやってほしかった。

あれだけ剣術の修行をしたのに、
肝心の時にはピストルを威嚇発射し、
相手を人質にとって逃げるというのでは、
やっぱり見ていてスカッとしない。

それに、
逃げた材木倉庫の屋根で龍馬が思いだす人の中に、
あれほど慕っていた姉の乙女がいないのも気になった。


脚本家も当然そんなことは分かっているのだろうが、
何せ年末までに終わらせねばならぬから、
人物を書きこむ余裕がないのだろう。

時間配分を間違えたのならいっそ、
放映期間の方を延ばしたらいいのに。

龍馬をそんなに早く、
殺さなくてもいいのに、、、

いや、
いっそのこと、
最後は史実を捻じ曲げて、
龍馬は殺されず、
明治政府にも入って日本を大改革みたいな、
完全なフィクションに転換して、
来年の大河に引き継いだらどうだろう。

ねぇ、
NHKさん。

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