2010年9月20日月曜日

教室

新しくぼくの部署に来た人に、
仕事を教えるという役目が回ってきた。

この部署に来て11年目。

何かの間違いに戸惑う。

大体においてぼくは、
他人にモノなど教えたことがない。
大学生のころ、
家庭教師というのは憧れのバイトだったが、
6年間一度もそんな機会には恵まれなかった。

それは単なる巡り合わせというよりは、
ぼくがモノを教えるほど、
何かに精通したことがないからだと思う。

反面教師なら自信満々なのだが、、、

右も左もわからぬ11年前、
今の仕事を始めたころ、
ぼくはどんな気持ちだったのか。

つらつら思い出しながら、
かつ、
あのころこんな風に教わっていたらよかったなぁと、
今更ながら思われることを加味して、
夕方から深夜まで、
付きっきりで「指導」した。

とはいえ、
元々職人的性格の強い職種だけに、
いわゆる「正解」も「理論」もない。
極端な話、
100人いれば100通りのやり方があり、
そのどれもが「あり」である。

要は結果次第。

生真面目なヤツがよいわけでもなく、
チャランポランだからといって、
必ずしも悪いわけでもない。

理屈で説明できる部分はごく限られていて、
ほとんどは結局身を持って覚えるしかない。

そして、
仕事にはその人のすべてが現れる。

恐ろしいほどに。

さて、
ぼくが発した言葉の何パーセントが通じるのやら?
たぶん二度とこんな役目はぼくには来ないと思いながら、
いつもより饒舌な自分に気づく。

あ、
おれって聖職者は絶対無理だけど、
実は教えたがりなんだ。

そんな自分に気付いた。

それと、
今の若い人は、
ぼくが若いころより、
ずっと優秀だということも。

Fear is often worse than the danger itself. 


若い「生徒」の行く末が、
光にあふれ、
安泰であることを祈りつつ。

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