非常につまらなかった。
前作「1Q84」が渾身の大作だとしたら、
これは気まぐれの小品。
何となく思いつくまま書いてたら、
こんなん出来たんで、
一応売り出します、
みたいな感じ。
そのくせ、
前作のヤナーチェック「シンフォニエッタ」の、
二匹目のドジョウ狙いミエミエのリストのなんとかが出て来たり、
表紙に有名ではないけど重要な抽象画家の絵を使ったり、
「売らんが為」の仕掛けはちゃんと施されている。
個人的にはね、
主人公が後半フィンランドに旅行するくだりが興味深かった。
一応行ったことあるから。
あんまり思い出したくないけど。
でも、
「マリメッコ」とか聞くと、
ハッとする。
いい思いではないけど、
印象は強い。
そういえば、
作中こんなセリフがある。
「記憶を隠すことはできても、歴史を変えることはできない」
忘れたつもりでも、
それはずっとそこにある。