天神橋筋六丁目界隈を歩いていたら、
あの場所がコンビニになっていた。
ここにかつて、
ボロボロの建物があったことなど、
あっという間に人々は忘れる。
もうすでにほとんど忘れ去られたかも。
同時に、
お気に入りの喫茶店マスターが亡くなった理由も、
近所で聞き込みをしようと思ったけれど、
たまたま人通りが少なく断念。
帰宅すると母がテレビを見ていた。
番組では大人の5倍もの食事を日に8回もとって、
その度にすぐに吐いてしまう少女や、
拒食症で体重が28キロしかない女性や、
食事と体重に関する海外の話題を、
面白おかしくやっていた。
日に8回食事する少女は、
中国の少女で、
山の中で拾われたのだという。
過食ではあるけど、
全部吐き出してしまうので、
体格はどちらかといえば痩せている。
食べないと空腹で失神してしまうといい、
父親の男性の稼ぎの大半は、
娘の食費で消えてしまうのだそうだ。
大阪では餓死した母子が話題だ。
母親の手持ちの現金は数十円だった。
そういう世界にぼくらは生きている。