高校の同級生が、
クラスメートの前で、
「ぼくは意志が弱いので、不言実行ではなく有言実行です」と言って、
難関大学の合格を目指すと宣言した。
確か授業で、
好きな言葉を一人ずつ発表していたのだと思う。
彼はそれから、
部活動にも入らず、
Z会という通信教育に熱を入れていたはずだ。
受験など、
そのころのぼくの視界にはなく、
休み時間も勉強している彼を見ながら、
いささか呆れ、
しかし、
実は自分はバスに乗り遅れているのではあるまいか、
などと不安に襲われもした。
大麻汚染に揺れる角界の北の湖理事長。
突然辞任を発表し、
「あなたとは違う」と言い捨てた福田首相。
いずれも、
世間が大騒ぎする中、
黙ったままだ。
これはただ、
無言実行なだけで、
そこに美徳や決意はうかがえない。
何かに脅えているだけだ。
同級生の彼が、
その後どうなったのか、
ぼくは何十年もの間、
関心を持ったことすらなかった。
ただ、
それが最善の策であるかのごとく、
無言を貫く首相や理事長を見ていて、
ふと、
思い出された。
沈黙は金。
雄弁は銀。
確かにそうだと思う。
だが、
語るべき時に語らないのは、
銅ですらない。
●室伏が繰り上げ銅になるとか。2大会連続の繰り上げメダル。やりきれないだろうなぁ●ついに、エアコンがいらない夜が訪れたようだ。
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