2008年9月25日木曜日

贅沢

駅のホームに着いた途端、
大事な忘れものをしたことに気づいて、
自転車で戻っていたのでは、
ちょっとヤバい感じだったので、
タクシーに乗ったら、
窓が開いていて、
入ってくる風が心地よい。

昨日まで冷房が嬉しかったのに、
気がつくと、
暖房が欲しくなっている、
そんな気候の境目が毎年ある。
たぶん今が、
その境目じゃなかろうか?

先日、
台風を観測する飛行機から撮影した、
「台風の目」の写真が新聞に載っていたけど、
ちょうどそんな感じ。
一瞬で過ぎ去る季節のエアポケット。

母方の実家は、
新しい物が好きで、
冷房機を取り付けたのも早かった。
今の小型冷蔵庫ぐらいの大きさで、
車のラジエーターのような、
金属の板をいっぱい並べた部分に、
水滴がいっぱいついていて、
噴き出す風は、
こりゃ健康に悪いのではと、
子供心に心配になるほど冷たかった。

独特の冷気の匂いを今でも鼻の奥に感じることができる。
家の前の道は舗装されてなくて、
端には雑草が生い茂り、
ムッとするような熱気があたりを覆う中、
そのダイニングキッチンだけは別世界だった。
花輪クンちに行ったまる子状態。
親にねだることさえ考えられないほど高嶺の花ということ。

ほかの部屋はもちろん扇風機で、
羽にアーと言って遊んだり、
先っぽに人差し指をあてて、
少しずつ回転を遅くしたりして、
遊んだもんだ。

確か同じ家で、
祖母は、
先に炭を入れるアイロンを使っていたように記憶している。
そんな超アンバランスな時代の話だ。

我が家に冷房がついたのは、
もっとずっと後のこと。
それも、
祖母の家のお下がりだった。

そうだ、
中学生のある夏、
ぼくが一人で留守番することになって、
その冷房をガンガンにかけて、
ポール・モーリアのレコードをかけながら、
アガサ・クリスティの「カーテン」を読んだな。
何度も何度も針を置きなおして、
ということは、
オートリターンなんてなくて、
それも祖母宅のお下がりのステレオだった。

氷をいっぱい入れてキンキンに冷やした、
カルピス飲みながら。。。


最高の贅沢だった。


●この夏は発声練習をよくやったと思う。何度も何度も、や、これが極意かと思いながら、翌日には全然そんなことないと気づく繰り返しだったけど、少しはましになったかもしれない●麻生太郎総理大臣。2世が駄目なら3世か。内閣には34歳の2世もいるな。

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