ポール・ニューマンが亡くなって、
ぼくは「スティング」は大好きで、
DVDを持っているのだけど、
もうひとつの代表作を見たいと思い立ち、
会社帰りにTUTAYAに寄った。
「明日、明日、明日」と心の中で唱えながら、
棚を順に探していく。
あった。
しかも、
借りられてもいない。
ラッキー。
パッケージを取り出す。
「俺たちに明日はない」
?
違うやんか。
「明日、明日、明日」
あの西部劇の、
そう、
「明日に向かって撃て」だ。
気を取り直し、
再度棚を目で追う。
あった。
でもレンタル中。
そりゃそうだ。
でも折角だからと、
物色していたら、
結局3作品も借りてしまった。
そのうちの「カポーティ」を観た。
作家トルーマン・カポーティを描いた作品なのだが、
特異なのは、
「冷血」という彼の代表作の、
執筆過程に焦点を絞っていることだ。
カポーティといえば、
「ティファニーで朝食を」が有名で、
洒落たニューヨーカーというイメージだがあるが、
実物はかなりの皮肉家、
そして変人。
列車のポーターに金をつかませて、
「あなたの新作は最高でした」などと、
知人に聞こえるように言わせたりする。
彼が米南部出身で、
ポーターが黒人であることが、
このエピソードを一層際立たせている。
しかし実はというか、
当然のことながら繊細で、
彼の外面が虚像であることが、
次第にわかってくる。
その彼が、
ある一家惨殺事件に引き寄せられる。
彼は現地に赴き、
犯人2人にまで面会して取材を重ねる。
そのうち彼は、
犯人の一人ペリーの中に、
屈折した自分自身を見出す。
2人が死刑になるまで見届けたカポーティーは、
結局5年余りかけて傑作をものにするのだが、
代償として精神が破たんし、
小説を書けなくなってしまう。
恐らくペリーの死刑を目の当たりにした時、
彼の中の何かも死んだのだ。
ウィキペディアによると、
若くして天才作家と呼ばれ、
社交界でも華やかな話題を提供してきた彼は、
「冷血」後、
アルコール及び薬物中毒による奇行が目立つようになり、
1984年、
59歳で死んだという。
「冷血」を読んでなかったら、
「何これ」という以外ない映画。
読んでいれば、
絶対また読みたくなる。
そんな作品だ。
●余りの冷え込みに、ナイロン製モッズコートを衝動買いした。今はユニクロフリースだ。暖房もいるぞ●んでさらに雨の中、阪神勝利。巨人と1ゲーム差に開いた●またも右折台風。あす、あさって久々連休なのにナ。
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