2008年9月29日月曜日

明日

ポール・ニューマンが亡くなって、
ぼくは「スティング」は大好きで、
DVDを持っているのだけど、
もうひとつの代表作を見たいと思い立ち、
会社帰りにTUTAYAに寄った。

「明日、明日、明日」と心の中で唱えながら、
棚を順に探していく。

あった。

しかも、
借りられてもいない。

ラッキー。

パッケージを取り出す。

「俺たちに明日はない」



違うやんか。

「明日、明日、明日」

あの西部劇の、
そう、
「明日に向かって撃て」だ。

気を取り直し、
再度棚を目で追う。

あった。

でもレンタル中。

そりゃそうだ。

でも折角だからと、
物色していたら、
結局3作品も借りてしまった。

そのうちの「カポーティ」を観た。
作家トルーマン・カポーティを描いた作品なのだが、
特異なのは、
「冷血」という彼の代表作の、
執筆過程に焦点を絞っていることだ。

カポーティといえば、
「ティファニーで朝食を」が有名で、
洒落たニューヨーカーというイメージだがあるが、
実物はかなりの皮肉家、
そして変人。
列車のポーターに金をつかませて、
「あなたの新作は最高でした」などと、
知人に聞こえるように言わせたりする。

彼が米南部出身で、
ポーターが黒人であることが、
このエピソードを一層際立たせている。

しかし実はというか、
当然のことながら繊細で、
彼の外面が虚像であることが、
次第にわかってくる。

その彼が、
ある一家惨殺事件に引き寄せられる。

彼は現地に赴き、
犯人2人にまで面会して取材を重ねる。
そのうち彼は、
犯人の一人ペリーの中に、
屈折した自分自身を見出す。

2人が死刑になるまで見届けたカポーティーは、
結局5年余りかけて傑作をものにするのだが、
代償として精神が破たんし、
小説を書けなくなってしまう。

恐らくペリーの死刑を目の当たりにした時、
彼の中の何かも死んだのだ。

ウィキペディアによると、
若くして天才作家と呼ばれ、
社交界でも華やかな話題を提供してきた彼は、
「冷血」後、
アルコール及び薬物中毒による奇行が目立つようになり、
1984年、
59歳で死んだという。

「冷血」を読んでなかったら、
「何これ」という以外ない映画。

読んでいれば、
絶対また読みたくなる。
そんな作品だ。


●余りの冷え込みに、ナイロン製モッズコートを衝動買いした。今はユニクロフリースだ。暖房もいるぞ●んでさらに雨の中、阪神勝利。巨人と1ゲーム差に開いた●またも右折台風。あす、あさって久々連休なのにナ。

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