2009年2月22日日曜日

革命

村上春樹のエルサレム賞受賞スピーチは、
イスラエル批判というより、
「システムの前で人は無力」という嘆きだ。

「卵と壁」という暗喩を使って「普遍的」に嘆くから、
システムに属する人すべてが、
それぞれの立ち場で共感したことだろう。



彼の小説は大抵読んだし好きだ。
きっとそういう嘆きで満ちているから、
暗いんだけど、
ある種「心地よい」のだろう。

だけどそうやって嘆くだけじゃぁ、
「無力」ということが「あきらめ」としてぼくらの中に沈澱するだけだ。



彼は「常に卵の側に立つ」と言った。
擁護するということだろう。
痛み、
苦しみ、
悲しみ、
絶望に沈んだ人々が祈りを捧げる「嘆きの壁」。。。

そうだ。
彼はシステムを「壁」になぞらえたが、
実はそういう彼こそが「壁」なのではないか。

彼は壁として人をシステムから守ろうとするが、
それは同時にシステムを守る行為である。



つまり、
嘆いているだけでは革命は起きない。

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