遅まきながら映画「悪人」(李相日監督)をDVDで。
深津絵里がモントリオール世界映画祭で、
最優秀女優賞に輝いたというだけで借りたので、
ストーリーもよく知らなかった。
深津のみならず、
俳優の演技が素晴らしいのに驚いた。
樹木希林や江本明は言うに及ばずだが、
どの俳優も、
表情や表情の変化や、
声や声の抑揚や、
姿勢や動作が、
すべて強い意志が込められていて、
これほど「演技」に関心させられた邦画は、
本当に久し振りな気がする。
中でもぼくが一番感心したのは、
殺されちゃう保険外交員役の満島ひかり。
旅館のボンボンにもてあそばれながら、
「出会い系」で知り合った別の男と援助交際している、
どこにでもいそうな(?)OL役なのだが、
彼女が何故殺されることになったのかを、
本当に素晴らしいリアリティで演じている。
「悪人」では、
彼女が殺されて、
それと入れ違いに深津が出てくるので、
いわば彼女の出演部分は「前説」になるわけだが、
ひょっとして主役を食ってる?。
少なくとも、
彼女の前半の好演があればこそ、
後半の意味が深くなったと言える。
もちろん深津は上手いし美しかったけど。
題材は暗いし、
ちょっと尻切れ感のあるエピソードも散見されるものの、
この映画の俳優陣の演技には、
確かにお金を払う値打ちがある。
映画館で観ればよかった。
●もう一人の主役妻夫木聡は、いささかミスキャストのような、、、彼って金髪にしても、基本的に「善人」に見えちゃうんだよね。演技力以前の問題として。
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