2011年4月18日月曜日

悪人

遅まきながら映画「悪人」(李相日監督)をDVDで。















深津絵里がモントリオール世界映画祭で、
最優秀女優賞に輝いたというだけで借りたので、
ストーリーもよく知らなかった。

深津のみならず、
俳優の演技が素晴らしいのに驚いた。

樹木希林や江本明は言うに及ばずだが、
どの俳優も、
表情や表情の変化や、
声や声の抑揚や、
姿勢や動作が、
すべて強い意志が込められていて、
これほど「演技」に関心させられた邦画は、
本当に久し振りな気がする。

中でもぼくが一番感心したのは、
殺されちゃう保険外交員役の満島ひかり。

旅館のボンボンにもてあそばれながら、
「出会い系」で知り合った別の男と援助交際している、
どこにでもいそうな(?)OL役なのだが、
彼女が何故殺されることになったのかを、
本当に素晴らしいリアリティで演じている。

「悪人」では、
彼女が殺されて、
それと入れ違いに深津が出てくるので、
いわば彼女の出演部分は「前説」になるわけだが、
ひょっとして主役を食ってる?。

少なくとも、
彼女の前半の好演があればこそ、
後半の意味が深くなったと言える。

もちろん深津は上手いし美しかったけど。

題材は暗いし、
ちょっと尻切れ感のあるエピソードも散見されるものの、
この映画の俳優陣の演技には、
確かにお金を払う値打ちがある。

映画館で観ればよかった。

●もう一人の主役妻夫木聡は、いささかミスキャストのような、、、彼って金髪にしても、基本的に「善人」に見えちゃうんだよね。演技力以前の問題として。

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