先日知人から、
復職が決まったと連絡があった。
よかったぁ。
そう思いながら、
心は当然ぼく自身の復職の時へと、
降りていった。
もう3年半になる。
正直なところ、
復職してからの出来事より、
それ以前、
つまり心身崩壊し休職やむなきに至り、
そこから這い上がるまでの8か月の方が、
はるかに印象深い。
そのうちのひと月間は入院生活だった。
とにかく安静にしているしかなかったので、
退屈だったぼくは読書にいそしんだ。
病院の近くに書店があって、
本当はいけないんだろうけど、
毎日のように抜け出しては立ち読みし、
気に入ったものは買い求め、
ベッドの中でただただ読んだ。
一番印象深かったのは、
ガルシア・マルケスの「百年の孤独」。
とはいうものの、
今ここでは粗筋さえ紹介することができない。
ただ、
読んでいる時の独特の感触は、
休職と入院という、
非日常的な出来事とあいまって、
ぼくの中に今でも確かなものとしてある。
おそらく、
読書体験というのは、
さらにいえば、
あらゆる体験というものは、
具体的な内容ではなく、
その時の手触りとして強く記憶される。
そのひと月を含めたぼくの「8か月間の孤独」は、
社会人的には空白であったわけだが、
かけがえのない芳醇な日々だった。
あのころはよく分からなかったけれど、
今はそうだと断言できる。
それに比べればこの3年半、
特に社会人としての日常は、
何と淡白な味であることよ。
ライブドアのホリエモンは、
収監中に「本を2000冊読む」そうだ。
大きく化けて娑婆に出てくる日が、
楽しみである。
●「百年の孤独」。同じ名前の焼酎もよく飲んだなぁ(笑)
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