2011年4月27日水曜日

孤独

先日知人から、
復職が決まったと連絡があった。

よかったぁ。

そう思いながら、
心は当然ぼく自身の復職の時へと、
降りていった。

もう3年半になる。

正直なところ、
復職してからの出来事より、
それ以前、
つまり心身崩壊し休職やむなきに至り、
そこから這い上がるまでの8か月の方が、
はるかに印象深い。

そのうちのひと月間は入院生活だった。

とにかく安静にしているしかなかったので、
退屈だったぼくは読書にいそしんだ。

病院の近くに書店があって、
本当はいけないんだろうけど、
毎日のように抜け出しては立ち読みし、
気に入ったものは買い求め、
ベッドの中でただただ読んだ。

一番印象深かったのは、
ガルシア・マルケスの「百年の孤独」。

とはいうものの、
今ここでは粗筋さえ紹介することができない。

ただ、
読んでいる時の独特の感触は、
休職と入院という、
非日常的な出来事とあいまって、
ぼくの中に今でも確かなものとしてある。

おそらく、
読書体験というのは、
さらにいえば、
あらゆる体験というものは、
具体的な内容ではなく、
その時の手触りとして強く記憶される。

そのひと月を含めたぼくの「8か月間の孤独」は、
社会人的には空白であったわけだが、
かけがえのない芳醇な日々だった。

あのころはよく分からなかったけれど、
今はそうだと断言できる。

それに比べればこの3年半、
特に社会人としての日常は、
何と淡白な味であることよ。

ライブドアのホリエモンは、
収監中に「本を2000冊読む」そうだ。

大きく化けて娑婆に出てくる日が、
楽しみである。

●「百年の孤独」。同じ名前の焼酎もよく飲んだなぁ(笑)

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