朝日新聞の書評欄で紹介された、
「戦後史の正体」(孫崎享著、創元者)が面白すぎる。
一言で「日本の戦後史の黒幕はアメリカ」、
という内容で、
書評では「陰謀史観だ」みたいにけなされていたのだが、
ぼくが漠然と抱いていた事と余りに符合するので買ってみたら、
予想通り抜群の説得力がある。
なにせ著者は元外務省国際情報局長だ。
戦後から現代に至るまで、
アメリカがいかに日本の政治に介入してきたかを、
あまたの史料を用いてわかりやすく解説してくれる。
今の日本のの政官財の中枢が、
何故アメリカベッタリなのかがよくわかる。
なぜなら、
アメリカにとって都合の悪い存在は、
ことごとく潰されてきたからである。
日本に限らず、
イランのパーレビしかり、
イラクのフセインしかり。
陰謀史観といわれようと、
ぼくはこの本を信じるね。
問題は、
著者がなんでこうした本を書く気になったかだ。
というか、
こういう本が日本人に与える影響だ。
ここまでアメリカのやり方が徹底しているなら、
もう何をやっても無駄、
これからも日本は永遠に、
アメリカの都合のよい存在でなければならないのではないかと、
軽いめまいがしてくる。
戦争に負けるとはこういうことなのか。
思い知らされた。