仕事中に、
直属上司の義父がお亡くなりになられた。
上司はすぐには帰宅せず、
今日の仕事を全うしたのだけど、
すべて終わってから、
別の上司がぼくに、
「何でぼくらに任せて帰って下さい」
と言わなかったのだとしかられた。
そりゃそうかもしれないけれど、
ならばアンタこそ、
そう言って帰らせあげればよかったじゃないか。
のど元までそう言いかけて、
やっぱりやめた。
確かに部下であるぼくにも非はある。
もちろん「帰らなくていいんですか」と、
仕事中に何度かたずねてみたのだが、
もっと強く言うべきだったかもしれない。
でも、
その上司が帰るということは、
とりあえずぼくがその上司の代役になる状況であり、
ぼくが上司のポストを「狙って」いるようで、
強く言えなかったのも事実。
そういう考え方は歪んでいると思われるかもしれないけど、
そういう状況に至るには、
ここ数年の社内事情が絡んでいるから、
ぼくとしては微妙なところである。
さて。
話しは変わるが、
時事通信(ネット版)によると、
兵庫県尼崎市で起きた連続変死事件に絡み、角田美代子被告(64)=傷害致死罪などで起訴=として読売新聞に掲載された顔写真について、同市在住の女性(54)が30日夜、大阪市の弁護士事務所で記者会見し、「掲載された写真は私」と名乗り出た。同じ写真は共同通信社も配信しており、地方紙など複数の加盟社が使用した。
女性や同席した弁護士によると、女性は23日、購読している読売新聞に美代子被告として掲載された事件関連記事の顔写真を見て、「自分に似ている」と思った。その後にテレビでも同じ写真が放映され、「私と確信した」という。
げ。
日本中を戦慄させている事件の、
首謀者とされる被告の顔写真を間違えたとは、
前代未聞の大失態。
そして、
またも読売と共同。
この組み合わせは、
先のiPS移植の大誤報と同じである。
3.11以降、
マスメディアへの風当たりは強まる一方だけど、
こう立て続けに致命的ミスを犯しているようでは、
メディア不信の流れに棹を差すようなものだ。
iPSの時は森口氏という、
詐欺師的存在がいたから、
百歩譲って報道機関も“被害者”といえなくもないが、
今回は問答無用。
もはや住田美代子被告といえば、
だれしも「あの」顔を思い浮かべるだろうし、
住田被告の「代役」にされた女性の名誉を回復する手だては、
果たしてあるのだろうか?
●後記。顔写真の間違えは朝日新聞以外のほぼすべてのマスコミにおよび、警察は美代子被告の再逮捕を機に顔写真を公表するという異例の対応をとった(2012年11月8日)