2012年10月30日火曜日

制圧

ただいま開催中の日本シリーズ。

巨人が2連勝で勢いづいている。

初戦の先発は内海。

このピッチャー、
2年連続最多勝と、
成績は立派なんだけど、
リーグ戦とクライマックスシリーズの開幕戦で、
いずれも白星を飾れなかった。

真のエースと呼ぶには、
いまいち物足りない感じだった。

ところがシリーズの初戦は頑張った。

彼曰く、
クライマックスの最中に、
ちょっとしたヒントをつかんだのだそうだ。

それは、
左足の重心の掛け方という、
実に微妙なもので、
それ以上は彼言わなかったけど、
たぶん説明されても分からないだろう。

とっても微妙なことなんだけど、
本人はその感覚を取り戻したことが、
すごい自信になったらしく、
それが初戦の好投を生んだ大きな要因らしい。

技術的なことよりも、
この自信が大きかったと。

同様なことが、
二年目の沢村にも言える。

彼は今季「相手打者を制圧する」なんて、
2年目投手のクセに大口たたいておいて、
シーズンは10勝10敗。

新人だった去年とほとんど変わらない成績だった。

直球に威力はあるけれど、
制球難で、
無駄な四球が多く、
ひいては味方の攻撃のリズムも崩して、
結果、
援護がもらえず自滅するという、
典型的なパターンを持っている。

そのビッグマウス沢村が、
クライマックスとシリーズで、
人が変わったみたいな快投を続けている。

何が彼を変えたのか、
ちょっとわからないんだけれど、
たぶんいつも以上のアドレナリンが、
放出されているようなのだ。

内海もそうなんだけど、
つまるところ敵は相手というより、
自分自身なんだと思う。

内海はちょっとしたヒントで自分に確信を持ち、
沢村は普通なら緊張で尻込みする場面で、
逆にアドレナリンで開き直った。

沢村流に言えば、
己を制圧した者が勝つ。

そのあたりは、
ぼくらでも共通する部分があるのではなかろうか。

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