ただいま開催中の日本シリーズ。
巨人が2連勝で勢いづいている。
初戦の先発は内海。
このピッチャー、
2年連続最多勝と、
成績は立派なんだけど、
リーグ戦とクライマックスシリーズの開幕戦で、
いずれも白星を飾れなかった。
真のエースと呼ぶには、
いまいち物足りない感じだった。
ところがシリーズの初戦は頑張った。
彼曰く、
クライマックスの最中に、
ちょっとしたヒントをつかんだのだそうだ。
それは、
左足の重心の掛け方という、
実に微妙なもので、
それ以上は彼言わなかったけど、
たぶん説明されても分からないだろう。
とっても微妙なことなんだけど、
本人はその感覚を取り戻したことが、
すごい自信になったらしく、
それが初戦の好投を生んだ大きな要因らしい。
技術的なことよりも、
この自信が大きかったと。
同様なことが、
二年目の沢村にも言える。
彼は今季「相手打者を制圧する」なんて、
2年目投手のクセに大口たたいておいて、
シーズンは10勝10敗。
新人だった去年とほとんど変わらない成績だった。
直球に威力はあるけれど、
制球難で、
無駄な四球が多く、
ひいては味方の攻撃のリズムも崩して、
結果、
援護がもらえず自滅するという、
典型的なパターンを持っている。
そのビッグマウス沢村が、
クライマックスとシリーズで、
人が変わったみたいな快投を続けている。
何が彼を変えたのか、
ちょっとわからないんだけれど、
たぶんいつも以上のアドレナリンが、
放出されているようなのだ。
内海もそうなんだけど、
つまるところ敵は相手というより、
自分自身なんだと思う。
内海はちょっとしたヒントで自分に確信を持ち、
沢村は普通なら緊張で尻込みする場面で、
逆にアドレナリンで開き直った。
沢村流に言えば、
己を制圧した者が勝つ。
そのあたりは、
ぼくらでも共通する部分があるのではなかろうか。