2012年10月18日木曜日

内蔵

ぼくの学生時代の日本史の勉強というと、
縄文時代や弥生時代から始まり、
平安時代に鎌倉時代、
そして戦国時代ときて江戸時代、
そして明治維新へと、
まぁこのあたりまでは一応ちゃんとやる。

ところがそのあたりまできたら三学期も終わり近くで、
授業も猛スピードとなり、
戦後史にいたっては、
確か教科書の記述もほんのわずかだったように思う。

でも、
今を生きるぼくらにとって本当に大事なのは、
まさしくこの手薄にしか勉強しなかった、
戦後史であることに気づく。

そういう意味で先日読み終えた「戦後史の正体」は、
敗戦国日本とアメリカの関係という観点から、
戦後の歴代内閣をとらえた本として、
かなり「目からウロコ」な一冊だった。

孫崎氏の主張がすべて正しいかどうかはわからないけれど、
戦後史に「戦勝国アメリカ」という補助線を引いただけで、
驚くような構図が浮かび上がることは事実だ。

領土問題ひとつとっても、
そこにはアメリカが仕込んだ可能性を指摘する。

たとえばホットな尖閣問題にしても、
日本にも中国にも、
それが「自国の領土である」と主張する根拠がある。

どちらの根拠にもそれなりの確からしさがあり、
国際司法裁判所に持ち込んだら白黒つく、
というほど単純な問題ではないことがわかる。

英国もかつての植民地から撤退する時、
かならずといっていいほど、
そこに「領土問題」を仕込んで、
隣国同士が敵対する火種としたという。

この本を読んだ限りでは、
やっぱりアメリカは敗戦国日本に対して、
20世紀型植民地政策をとってきたのだと思う。

自分らに都合のよい相手である限りは寛容だけど、
本質的に自立しようとすると、
容赦なく徹底的に邪魔をする。

それともう一つ。

アメリカの20世紀型植民地政策を支えてきたのが、
日本の政治と経済とマスコミであるということ。

日本国内では右寄り左寄りなんて色分けされる、
各種マスコミだが、
結局は全部ひっくるめてアメリカ寄りなのだということが、
痛いほど分かった。

そして読み始めたのが、
「政府は必ず嘘をつく」(堤未果著、角川SSC新書)。

日本は3.11をきっかけに、
ついに目覚めるのか、
それとも二度寝に入るのか。

今が正念場だと思う。

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