縄文時代や弥生時代から始まり、
平安時代に鎌倉時代、
そして戦国時代ときて江戸時代、
そして明治維新へと、
まぁこのあたりまでは一応ちゃんとやる。
ところがそのあたりまできたら三学期も終わり近くで、
授業も猛スピードとなり、
戦後史にいたっては、
確か教科書の記述もほんのわずかだったように思う。
でも、
今を生きるぼくらにとって本当に大事なのは、
まさしくこの手薄にしか勉強しなかった、
戦後史であることに気づく。
そういう意味で先日読み終えた「戦後史の正体」は、
敗戦国日本とアメリカの関係という観点から、
戦後の歴代内閣をとらえた本として、
かなり「目からウロコ」な一冊だった。
孫崎氏の主張がすべて正しいかどうかはわからないけれど、
戦後史に「戦勝国アメリカ」という補助線を引いただけで、
驚くような構図が浮かび上がることは事実だ。
領土問題ひとつとっても、
そこにはアメリカが仕込んだ可能性を指摘する。
たとえばホットな尖閣問題にしても、
日本にも中国にも、
それが「自国の領土である」と主張する根拠がある。
どちらの根拠にもそれなりの確からしさがあり、
国際司法裁判所に持ち込んだら白黒つく、
というほど単純な問題ではないことがわかる。
英国もかつての植民地から撤退する時、
かならずといっていいほど、
そこに「領土問題」を仕込んで、
隣国同士が敵対する火種としたという。
この本を読んだ限りでは、
やっぱりアメリカは敗戦国日本に対して、
20世紀型植民地政策をとってきたのだと思う。
自分らに都合のよい相手である限りは寛容だけど、
本質的に自立しようとすると、
容赦なく徹底的に邪魔をする。
それともう一つ。
アメリカの20世紀型植民地政策を支えてきたのが、
日本の政治と経済とマスコミであるということ。
日本国内では右寄り左寄りなんて色分けされる、
各種マスコミだが、
結局は全部ひっくるめてアメリカ寄りなのだということが、
痛いほど分かった。
そして読み始めたのが、
「政府は必ず嘘をつく」(堤未果著、角川SSC新書)。
日本は3.11をきっかけに、
ついに目覚めるのか、
それとも二度寝に入るのか。
今が正念場だと思う。