2012年10月20日土曜日

悪口

出勤するや否や、
後輩が駆け寄ってきて、
数枚のコピーを手渡してくれた。

「ハシシタ 奴の本性」

おぉー、
なんちゅう早業。

持つべきものは、
頼りになる後輩ですな、
ペンギン様(笑)

今日の仕事そっちのけで、
食い入るように読む。

正直なところ、
事実関係だけで言えば、
橋下の根幹を揺るがすほどのものとは思えない。

ただし、
筆者が橋下が嫌いなことだけは、
実に良く伝わる文章だ。

 「さあこれから、日本国中で大戦が始まりますよ」
 新党の結成宣言というより、テキヤの口上だった。その口ぶりを聞いて、昭和末期のバブル時代に、一大ブームを巻き起こした細木数子という女占師が、都内の高級ホテルで開いた会費一万円の講演会を思い出した。
 田舎芝居じみた登場の仕方といい、聴衆の関心を引きつける香具師まがいの身振りといい、橋下と細木の雰囲気はよく似ている。

 橋下の言動を突き動かしているのは、その場の人気取りだけが目的の動物的衝動である。

 やはりこの男はそんなおべんちゃらと薄汚い遊泳術で生きてきたのか、と妙に得心がいった。

 橋下にあるのは、古くさい弱肉強食思想と、恵まれない環境で育ったがゆえにそれを逆バネとした自負からくるエリート実力主義、テレビの視聴率至上主義そのままの大衆迎合思想、それに受験戦争を勝ち抜いてきた男らしく一夜漬けのにわか勉強で身に着けた床屋政談なみの空虚な政治的戯言だけである。

ざっとこんな感じである。

あとは橋下の父親の縁戚にあたるという人物からの、
父親に関する伝聞が書き連ねられている。

この連載の筆者の一人である佐野眞一氏は、
ノンフィクションの大御所的人物。

ぼくはどじょう首相が嫌いだけれど、
ここまで悪し様には書けない。

単に書く能力がないだけなんだけど(泣)

それ以上に情けないのは週刊朝日。

橋下の昨日の記者会見を受けて、
連載はこの一回で打ち切りを決めた。

来週号には謝罪文を載せるという。

開戦するなり白旗あげるなら、
最初からやめとけよ。

根性のない週刊誌だ。

橋下の戦略もうまかった。

親会社(朝日新聞)が子会社(週刊朝日)を使って、
汚い仕事をさせているーという図式で、
筆者の佐野氏ではなく朝日新聞を叩いたのは、
実に効果的だった。

天下の朝日ブランドが傷つくのは何としても避けたかったんだろう。

さて、
この顛末で得をしたのは誰?

「週刊朝日も売れたみたいだし、どっちもじゃないですかぁ」

別の後輩の冷静な感想。

「一番割を食ったのは、梯子をはずされた佐野さんですかねぇ」

なるほど。

ぼくは、
それでも橋下には相当なダメージだったと思うけど。

孫崎氏にいわせれば、
これもアメリカの手先として、
週刊朝日&佐野氏が動いたってことになるのかな?

いずれにしても、
しっかりした裏付けを示さず、
主観や伝聞だけでこれだけ悪口書くのは、
ノンフィクションの大御所としていかがなものだったのか?

それとも、
1回目はイントロで、
2回目以降本格的なノンフィクションになったのか?

今となってはもうわからないけど。

●そんな最中、どじょうは年内解散すら約束しなかったし。

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