土俵は丸いのに「角界」とはいかに?
中国の「角力(かくりき)」がルーツなんて、
ちーっとも知らなかった。
ちなみに角力って、
力比べのことだそうだ。
朝青龍の泥酔暴行事件や貴乃花の理事選挙など、
騒動が絶えない角界。
ぼくはその原因の一つは、
「相撲はスポーツ」だという勘違いにあると思っている。
相撲はそもそもスポーツではなく、
さりとて柔道や剣道のような武道でもなく、
むしろ歌舞伎や日本舞踊のような芸事に近いというのが、
ぼくの持論である。
角界を歌舞伎における梨園のようなものだと考えれば、
最近の騒動がいかに馬鹿らしいかに気づく。
そもそも「ルール」という概念が相撲に不似合いだ。
角界にルールがあるとすれば、
それはむしろ「しきたり」と呼ばれるべきものだ。
しきたりはルールのように公明正大ではないかもしれない。
でも、
その世界ではむしろルールより厳格なものとして機能するだろう。
相撲があれこれ言われるのは、
ひとえに日本相撲協会が財団法人として、
文科省の所管にあるからだろう。
お上に管理下にあるから、
「品格」だの「八百長」だのとやり玉に挙げられるわけで、
さっさと民間の興行団体に鞍替えすればいいのである。
梨園では、
およそ一般常識からかけはなれた行為が、
しきたりとして残っているようだが、
それが問題にならず、
むしろ歌舞伎の奥深さみたいなものに資しているのは、
お上の権威と無縁だからである
もし角界が梨園のようになれば、
朝青龍は間違いなく千両役者だ。
相撲は「改革」されるべきものではなく、
「保存」されるべきものだ。
●久々に硬派な内容。それも愛するが故。
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