2010年2月3日水曜日

角界

土俵は丸いのに「角界」とはいかに?

中国の「角力(かくりき)」がルーツなんて、
ちーっとも知らなかった。
ちなみに角力って、
力比べのことだそうだ。


朝青龍の泥酔暴行事件や貴乃花の理事選挙など、
騒動が絶えない角界。

ぼくはその原因の一つは、
「相撲はスポーツ」だという勘違いにあると思っている。

相撲はそもそもスポーツではなく、
さりとて柔道や剣道のような武道でもなく、
むしろ歌舞伎や日本舞踊のような芸事に近いというのが、
ぼくの持論である。

角界を歌舞伎における梨園のようなものだと考えれば、
最近の騒動がいかに馬鹿らしいかに気づく。


そもそも「ルール」という概念が相撲に不似合いだ。
角界にルールがあるとすれば、
それはむしろ「しきたり」と呼ばれるべきものだ。

しきたりはルールのように公明正大ではないかもしれない。
でも、
その世界ではむしろルールより厳格なものとして機能するだろう。


相撲があれこれ言われるのは、
ひとえに日本相撲協会が財団法人として、
文科省の所管にあるからだろう。

お上に管理下にあるから、
「品格」だの「八百長」だのとやり玉に挙げられるわけで、
さっさと民間の興行団体に鞍替えすればいいのである。

梨園では、
およそ一般常識からかけはなれた行為が、
しきたりとして残っているようだが、
それが問題にならず、
むしろ歌舞伎の奥深さみたいなものに資しているのは、
お上の権威と無縁だからである


もし角界が梨園のようになれば、
朝青龍は間違いなく千両役者だ。

相撲は「改革」されるべきものではなく、
「保存」されるべきものだ。

●久々に硬派な内容。それも愛するが故。

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