aikoの「戻れない明日」について、
おととい書いてから、
ずっと考えている。
考えれば考えるほどこの言葉、
騙し絵を見ているような不思議な感覚になってくる。
彼女がこのタイトルをつけた理由は、
彼女自身が述べているように、
「覚悟を決めて明日を迎える”ことを違う言葉で表現しようと思って」
ということだが、
それはどういうことだろうか。
「明日」とはそもそも先にあるものだから、
「戻れない」のは論理的に当然だと、
そう理解すれば身も蓋もない。
そうではなくて、
「明日」には戻りたくても戻れないという風に考えればどうなるか。
あるいは、
「明日に戻る」つまり「先に戻る」とはどういうことか。
もっと言えば、
「戻る」とはどういう意味か。
goo辞書にはこうある。
(1)ある場所から離れて、再びもとの場所に帰り着く。また、もとの場所の方向へ引き返す。帰る。
(2)持ち主や本来あった場所に返される。
(3)以前の状態に再びなる。旧に復する。
ちょっと方向を変えて考えてみよう。
明日は何もしなくても生きている限りやってくるけど、
その明日の時点から再び今日には絶対に戻れない。
だから「戻れない明日」の戻れないというのは、
「引き返せない」という意味にとれる。
明日になれば今日には引き返せない。
時間は一方通行だと。
例えばタイムマシンで過去に戻って、
そこにいる自分に会えば、
様々なことを言ってやりたくなるだろう。
では未来の自分に会えたとしたらどうだろう。
その自分が「残念だけどもう戻れないんだよ」と言ったら、、、
かなり怖い(笑)
●こういう新しい感覚を呼び覚ます言葉づかいは新鮮だし、芸術的だなぁと思う。
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