2010年2月14日日曜日

針路

トリノ五輪のころ、
ぼくの人生は、
ある種のピークを迎えていた。

公私ともに充実していた。

というよりも、
張り詰めていた。

だけど、
ジェットコースターが最高点に達し、
今まさに落下しようとする、
その矢先に自分がいるということは、
知るよしもなかった。


あれから4年がたった。

バンクーバー五輪が開幕した今日の午後、
ぼくは目を閉じて耳に集中していた。

耳に飛び込んできた人の声は、
消え入りそうに小さかったけど、
「SOS」であることは分かった。

その人の顔は疲れ果て、
なのに目は焦点を失い、
うわ言のように、
途切れ途切れに発せられる言葉は、
着地点を始めから見失っていた。


そんな悩みの渦中にある人に、
かけるべき言葉が見つからない。

その人が取り得る選択肢は思い浮かぶけど、
そのどれを選べば幸せになれるのか。

ぼくには何も確約できない。

そもそも「幸せ」ってなんなのだ。
どんなに苦悩に満ちた日々もいつか、
「幸せ」の必要条件だったと思える日がこないと、
誰に言えるのか。

「幸せの針路」は無数にある。

そのどれかを選ぶ勇気と、
結果を引き受ける覚悟があれば、
どの針路も「幸せ」に続くと、
ぼくは信じる。

●いきなり死者が出るわ、聖火の段取りで大失敗するわ、波乱含みの五輪開幕●バレンタインデーイブ。「もれなく」チョコも含め3個!アリガト(笑)

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