高橋大輔のSPを観ていて、
この表現力は天性のものだろうか、
あるいは鍛え上げられたものだろうかと、
考えてしまった。
例えば、
スッと腕を上げる、
パッと振り返る、
その仕草だけで、
彼は何かを語ることができる。
技術を超えて、
彼の体が何かを発しているとしか思えない。
それをオーラ(霊性)というなら、
彼には間違いなくオーラがある。
彼の演技で特筆すべきだと思うのは、
技と技の連係がスムーズだという点だ。
一流の選手でさえ、
ジャンプの前後は一種の空白があるけど、
彼にはそれがない。
ジャンプを含めすべての演技が一体となり、
だからこそ観衆の心を捉えて離さない。
五輪という大舞台で、
ああいう魔法がかけられる選手は、
本当に稀有な存在だ。
この段階で、
フリーのターゲットはプルシェンコただ一人に絞られたといえる。
プルシェンコは相変わらず凄いけれど、
4年前に比べれば体の切れは落ちているように、
ぼくには見えた。
むしろ演技のスムーズさでは、
高橋の方が上回っているほどだ。
SPの結果で、
プルシェンコの独走という先入観は、
かなり和らいだのではないか。
高橋はフリーで「4回転を絶対に飛ぶ」と言っている。
それが決まれば、
仮にプルシェンコがベストを尽くしても、
超えることができるかもしれない。
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