2010年2月18日木曜日

霊性

高橋大輔のSPを観ていて、
この表現力は天性のものだろうか、
あるいは鍛え上げられたものだろうかと、
考えてしまった。

例えば、
スッと腕を上げる、
パッと振り返る、
その仕草だけで、
彼は何かを語ることができる。

技術を超えて、
彼の体が何かを発しているとしか思えない。

それをオーラ(霊性)というなら、
彼には間違いなくオーラがある。


彼の演技で特筆すべきだと思うのは、
技と技の連係がスムーズだという点だ。

一流の選手でさえ、
ジャンプの前後は一種の空白があるけど、
彼にはそれがない。

ジャンプを含めすべての演技が一体となり、
だからこそ観衆の心を捉えて離さない。

五輪という大舞台で、
ああいう魔法がかけられる選手は、
本当に稀有な存在だ。


この段階で、
フリーのターゲットはプルシェンコただ一人に絞られたといえる。

プルシェンコは相変わらず凄いけれど、
4年前に比べれば体の切れは落ちているように、
ぼくには見えた。

むしろ演技のスムーズさでは、
高橋の方が上回っているほどだ。

SPの結果で、
プルシェンコの独走という先入観は、
かなり和らいだのではないか。

高橋はフリーで「4回転を絶対に飛ぶ」と言っている。
それが決まれば、
仮にプルシェンコがベストを尽くしても、
超えることができるかもしれない。

0 件のコメント:

コメントを投稿

遺志

30日は親父の13回忌だ。 あーそんなになるのか、 と言うのが率直な感想。 親父が亡くなる直前、 僕は酒を辞めた。 復職して最初のボーナスが出た日、 入院していた病院に行って報告した。 もう親父はかなり弱っていて、 ほとんど喋れなかった。 でも...