NHKの「プロフェッショナル」では毎回最後に、
ゲストは「あなたにとってプロフェッショナルは」と問われる。
それぞれに含蓄があって感心させられるけど、
最近、
表現は違えども皆同じことを言っているように感じてきた。
つまり、
プロフェッショナルとは「期待を裏切らない人」だ。
単純だけど、
こんなに難しいことはないと思う。
相手の期待に1度応えることはできるだろう。
でも、
次は絶対にそれ以上を期待される。
つまり期待を裏切らないためには、
不断に向上し続け、
なおかつ、
それが相手の自分に対する膨らんだ期待を上回るか、
悪くてもイコールでないといけない。
そこでリチャード・ボナ。
カメルーン出身の天才ベーシストとして、
彗星のように現れた彼は、
歌手としても超一級である。
梅田のビルボードライブの隅っこの方で、
トニックウォーターをすすりながら、
双眼鏡を手に2ステージ、
ずっと彼を観察した。
ベースのことは全然わからないけど、
歌でも演奏でも、
いわゆる「超絶技巧」を披露したのは、
一瞬だったように思う。
でもその一瞬であっさりKOしてしまうのだから、
やはりプロフェッショナルなのだろう。
音楽とは関係ないけど、
なぜか知らないけど「西宮」という地名がお好きなようで、
ステージ上で何度も繰り返していて笑えた。
それから、
その日本語が異常に上手いのに驚いた。
カタコトなんだけど、
そのイントネーションや発音が実に自然。
とにかく耳がいいんだろうな。
「インビクタス」(クリント・イーストウッド監督)をレイトショーで。
南アのマンデラ元大統領と、
ラグビー南ア代表との間にあった、
いわゆる「奇蹟のような実話」だ。
モーガン・フリーマンのマンデラ役がハマりすぎ(笑)。
演出も手堅く、
2時間超を見せ切ったけど、
イーストウッド監督の中では、
平均点じゃなかろうか。
「グラン・トリノ」以上を期待したからだけど。
それにしても、
今年で80歳になるイーストウッド監督の製作ペースは驚異だ。
ちなみにインビクタス(INVICTUS)とは、
ラテン語で「不屈」の意味。
マンデラ氏が27年間にわたる投獄中、
心の支えにしていた、
ウィリアム・アーネスト・ヘンリーの詩の題名だそうだ。
私を覆う漆黒の夜
鉄格子にひそむ奈落の闇
私は あらゆる神に感謝する
我が魂が征服されぬことを
無残な状況においてさえ
私はひるみも叫びもしなかった
運命にうちのめされ
血を流しても
決して屈服はしない
激しい怒りと涙の彼方に
恐ろしい死が浮かび上がる
だが 長きにわたる
脅しをうけてなお
私は何ひとつ
恐れはしない
門がいかに狭かろうと
いかなる罰に苦しめられようと
私が我が運命の支配者
我が魂の指揮官(キャプテン)
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