長年、
もう10年ほど会っていない人が、
夢に出てきた。
その人とは音信不通でもあり、
どんな暮らしをしているのかも全く分からない。
これまで一度も夢に出てきたことはなかった。
夢に見る予定はなく、
別に予約もせず、
何の予兆もなかった。
たまたま目覚め際に見た夢だったから、
おぼえているだけなのかもしれないけど。
ぼくの頭の中で、
何と何がどう反応して、
そういう夢になったのだろう。
堆積する記憶の、
下の下にあったものに、
突然火がついたのだろうか。
あるいはぼくの頭の中でその人は、
ぼくと同じ時を刻みながら、
生活し、
泣き笑い、
生きていたのだろうか。
夢の中とはいえ、
幸せそうに笑っていてくれて安心した。
最後に会ったあの日、
交わした約束、
守ってくれていた。
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