2010年4月2日金曜日
理由
「マン・オン・ワイヤー」(ジェームズ・マーシュ監督)をDVDで。
1974年当時、
世界一高かった(そして今はなき)、
ニューヨークの世界貿易センタービル。
そのツインタワーの間にワイヤーを張り、
綱渡りをした男のドキュメントだ。
ドキュメントとはいえ、
当時の動画はほとんどなく、
写真と関係者の証言で構成されている。
しかしながら、
無許可で行われたこの快挙(暴挙?)の、
発案から実行までが、
再現映像も交え結構スリリングだ。
確かに綱渡りの「危険度」という点では、
先日紹介した、
棒も何も持たずに谷間を行く彼に、
当然かなわない。
しかし、
このフィリップ・プティという大道芸人の生き様は、
なかなか刺激的。
綱渡りを成功させた後、
「何故」と問うマスコミに、
彼はこう言う。
まさに米国的だ。
短絡的質問だよ。
壮大で謎めいた出来ごとに理由を問う実利性。
理由がないから素晴らしいのに。
そして、
映画の最後に人生観を語る。
僕にとっては単純なことだ。
人生はエッジを歩いてこそ価値がある。
反骨精神を持たねば、社会の規則に慣らされることを拒み、繰り返しを拒む。
日々すべての発想を、真の挑戦と受け止める。
そうすれば人生は綱渡りになる。
説得力満点。
人生に理由はいらない。
やるか、
やらないか。
人は、
たったこの二種類に分けられるのだ。
●WTCビルが映る度に、9.11を思い出した。
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