2010年4月9日金曜日

神様

尼崎・アルカイックホールへ行くのに、
昨日はJR甲子園口からタクシーを使い、
帰りは尼崎駅から阪神電車で甲子園球場を経由して、
バスで甲子園口に戻った。

今日は、
甲子園口から大阪へ一度出て、
そこから阪神電車に乗り換えて折り返して行った。


ギターの神様が尼崎にいた。











会場は、
会社帰りと思しきスーツ姿の中年男性が多く、
女性はちらほら。

若い女性に至っては、
ほぼ皆無。

開演前はシーンとして、
まるでクラシックコンサートか、
ミサのようだ。

後ろの男性が、
アンプやマイクのセッティングや、
エフェクターについて小声でうんちく話をしている。

演奏が始まっても、
普通のロックコンサートのように、
立ち上がる人はゼロ。

みんな、
神様が奏でるギターの調べに聞き入り、
多くの人が双眼鏡を手に、
神様の手元を凝視していた。


ぼくも双眼鏡を手放さなかったけど、
見ていたのは神様ではなく、
カーリーヘアの女性ベーシスト。

あのBSで見た、
タル・ウィルケンフィルドだ。

しかし、
テレビで見たあの愛らしい少女は、
2年ほどの間に随分マッチョになったなぁ?

しかも、
途中歌まで歌って。

それでもぼくは、
彼女の一挙手一投足を、
ほとんどずっと双眼鏡で見ていた。


ライブが進むにつれ、
席が揺れ始め、
歓声が上がるようになってきた。

みな、
こらえきれなくなったのだ。

そしてあの名曲が始まって、
ぼくもこらえきれなくなってしまった。


トイレに駆け込んだ。


ぼくはだれもいないトイレで用を足しながら、
神様の弾く「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」を聞いた、、、


閉演後、
阪神尼崎駅からバスでJR尼崎駅に行き、
JRで甲子園口に帰った。

家で調べたら、
あのマッチョな女性ベーシストは、
タルではなく、
実力派のロンダ・スミスだと知った、、、


この二日間、
ジェフ・ベックのライブに行くために、
様々な交通手段を使った。

日付を間違える大失態があり、
そのお陰で甲子園球場に行き、
肝心のライブでは、
人違いのベーシストをずっと見続け、
肝心の曲はトイレで聞いた。


それらは失敗や勘違いであるけれど、
だからこその収穫でもある。

何かを失っても、
必ず得るものはある。


生きている限り、
明日を迎える限り、
ぼくの身に何かが起き、
ぼくの身の何かが変わる。

それは良いとも悪いとも言えるもんじゃない。

いろんな行き方があったように、
いろんな生き方がある。

良し悪しはすべて結果論だ。

要は過程を楽しめるかどうかだ。


神様ありがとう。


●65歳の神様。カッコよすぎ(笑)。あと、勘違いのロンダ・スミスを含め、バックも凄かった●にしても、ジェフ・ベックって、ぼくが中学生のころから「世界3大ギタリスト」として憧れの的で、それから30年たって、しかも尼崎で会えたなんて、いまだに信じがたい。

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