2010年4月28日水曜日
拝借
最寄りのJR甲子園口駅から西に行ったところに、
線路の南北を結ぶちっちゃなトンネルがある。
地元に育ったぼくには、
慣れ親しんだ風景なんだけど、
いつのまにかテレビなんかで取り上げられて、
「不思議スポット」になってしまった。
この写真は、
他人のブログから拝借したもので、
「自分で撮れよ」ってことなんだけど、
ちょうど今思いついたのであしからず。
で、
そのブログにはトンネルの中の様子もちゃんと紹介されていた。
どっちの写真も、
実際にかなり近い感じで撮られている。
ここ、
「庄川隧道」という名前がついているように、
元々は用水路だったとか。
高さ1.2メートルしかなく、
かなり窮屈なんだけど、
ここが通れないとなると、
随分迂回しなければ南北に行き来できず、
地元住民には何ともありがたい通路なのだ。
で本題は、
映画「トンネル」(ローランド・ズゾ・リヒター監督)。
ドイツが東西に分断されて、
壁が築かれ始めた直後、
西に逃れ損ねた人を救出するため、
多くのトンネルが西側から掘られたという、
歴史的事実を映画化したものだ。
何でこの映画を借りたのか、
思い出せないぐらい長い日にちをかけて、
少しずつ見たのだが、
「実話」というだけで、
身につまされるものがある。
西側にいる彼女に会いたくて、
決死の覚悟で壁を乗り越えようとする若者。
鉄条網を乗り越え、
何とか壁にたどり着くものの、
背後から撃たれてしまい、
息絶え絶えになる彼。
もう壁を超える力はない。
ちょうど壁の反対側で彼を待つ彼女。
映像はその二人を、
壁の上から撮影する。
たった50年前の悲劇だ。
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