2011年2月18日金曜日

苦労

23年連続で司法試験を受け続け、
ついに合格を果たした女性の話を、
NHK「ドラクロワ」で知った。

録画をさっと見ただけなので、
かなり不正確だと思うけど、
彼女、
結婚4ヶ月で離婚したものの、
その時妊娠3カ月で、
保険の外交員をしながら勉強を始めたそうだ。

3年で合格する意気込みだったけど、
「二足のわらじ」状態で受かるほど甘くはなく、
目標を10年に変更。

しかしそれも達成できず、
あきらめようとした時、
小学生になっていた息子に、
「夢をあきらめるな」と言われ奮起。
仕事をクリーニング店の受付に変えて、
懸命に勉強を続けるも、
やっぱり落ち続けた。

不合格20回目を超えたあたりには、
彼女はこう思っていたという。

「ここであきらめたら私の人生は終わりだ」と。

「敗残者」
「負け犬」という言葉も使ってたな。

そして迎える23回目の試験。

なんとその10日前に、
母親が亡くなり、
さすがにその年だけは受験をあきらめようとしていたら、
すでに26歳になった息子に、
「葬式はすべてぼくが仕切るから勉強して」と励まされ、
ついに合格する。。。

今、
こうやってさらっと振り返ってみただけでも、
彼女が歩んだ道のりに深く心が揺さぶられる。

23回目にして自分の受験番号が合格掲示板にあるのを見て、
彼女は「この試験って受かるんだと思った」と言っていた。

この実話が語るのは、
「かなわない夢はない」とか、
「努力する姿こそが尊い」とか、
通り一遍の言葉では表現しきれない。

それ以上の何かだ。

現実には、
あきらめずに頑張っても、
結局夢かなわず死んでいく人が99%なのだけど、
それでも彼女のように成し遂げた人が、
今の世にいるのだということが、
「頑張っている」人への最上のエールになったと思う。

61歳にして弁護士になった彼女の笑顔は、
とってもチャーミングだった。

●ドラクロワって「ドラマチックな苦労話」の略だとか。でもこれ、苦労話の域を遥かに超えてるよ。

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