「マルホランド・ドライブ」(デイヴィッド・リンチ監督)をDVDで。
映画って基本一度通して観て、
ある程度筋道がわからんといかん、
と日頃主張しているぼくの基準からすれば、
完全に「アウト」な作品ではある。
途中から役柄と役者がガラガラ変わるなんて!
「2001年宇宙の旅」も最初は大概だったけど、
本作ほどではなかった。
しかし、
「ではある」がと書いたからには、
本作はアウトではないと言いたいのだと思われるだろうが、
必ずしもそういう訳でもない。
もちろん、
調べました。
ネットで様々な解釈を。
なるほどと思わされるものもあり、
それでも合点のいかない部分もある。
とりあえずの受け止め方は、
ピカソのキュビズム絵画のような感じ。
普通に出来上がった映画を解体し、
再構成して、
そのことによって、
ある感情をより深く、
新しい視点で提示してみせた、
ということか?
実際世の中は時系列で進んでいくけど、
記憶は全然整然とはしてないし、
昨日のことさえ藪の中みたいなところもある。
ぼくにとっての事実が、
あなたの事実とは正反対かもしれないが、
ぼくにとってはそれが事実ってことも、
あるし、
「それは間違っている」と否定する権利は、
だれにもない。
DVDに同時採録されている、
監督インタビュー。
「完成した映画以上に説得力のある言葉は存在しない」
こういう類の映画もあるのだと、
少し視野が広がりました。