ようやくジョブズの伝記を読み終えた。
Ⅱの方は、
いよいよiMac発売からiPodやiPhone、
iPadに至る怒濤の快進撃の部分なのだけど、
同時に膵臓がんを発症し、
死に至るまでの経過でもあり、
ちょっと辛かったな。
結局彼は実業家ではなく、
映画監督や指揮者みたいだったんだと思う。
というのは、
彼自身に卓越したコンピューターの技術があったわけでも、
デザインそのものを生み出したわけでもないからだ。
こういう物が欲しいという直感と、
それに対して超一流の才能が提出する案に、
容赦なく駄目出しできる才能が傑出していた、
って感じだ。
それは相手が誰でも同じ。
レストランのウェーターだろうが大統領だろうが。
「それ」か、
「それじゃない」か。
ジョブズ的に言えば「最高」か「最低」か。
彼の「それ」のハードルはとてつもなく高く、
決して妥協することなく、
最後の最後まで駄目出しを続けた一生のようにも思う。
駄目出しされる方はもちろん辛いけど、
駄目出し続けたジョブズもしんどかったとは思う。
才能ある人が、
何度も何度も、
自分の案を却下され、
こきおろされ、
よく「自分でやれよ」ってならなかったもんだ。
すごい人物だけど、
自分の上司になって欲しいかと問われれば、
やっぱり「ノー」だな。