絢香が久々に歌っているのを見て、
「あれっ」と思ったのだけど、
新曲「はじまりのうた」をDLして聞いてみて、
その違和感の正体が何となくわかったような気がした。
休養前と歌のうまさは変わっていない。
きっとずっと曲作りのかたわら、
歌のトレーニングも欠かしていなかったんだろう。
でも「はじまりのうた」全般から感じられたのは、
ある種の「充足感」のようなもの。
それは、
「辛いときあなたの存在がこんなに大切だと知った」
と歌う時にどうしても、
水嶋ヒロの顔が浮かぶというようなことではなくて、
病気の治療も順調で、
旦那さんともうまく行っている、
精神的落ち着きのようなものだ。
彼女が休養する前の歌は、
もっと「切羽詰まった」感があって、
それが魅力だったけど、
そこんとこが消えた、
あるいは薄れた気がする。
マイナーキーで、
ドラマチックに盛り上がる、
とてもいい作品だけど、
そこに以前ほど「鳥肌が立つ」って感じでないのは、
彼女が変わったのか、
ぼくが変わったのか?
幸せな人の歌は、
それはそれで気持ちがいいけれど、
歌手というのはどこか、
他人の痛みを引き受ける身代わりというか、
何がしかの欠落をかかえている存在であった方が、
ぼくは好きだな。
非常に乱暴に言えば、
幸せな人の歌は、
不幸な人の心に届きにくい。
上手いことと、
感動的であることは違うと、
あらためて思う次第。
上手いことと、
感動的であることは違うと、
あらためて思う次第。
断っておくけど、
ぼくは決して彼女に不幸せになって欲しいわけではないですよ。
でも満たされた彼女の今の歌では、
響かなくなった世界があるとも思う。
って単なるひがみでしょうけど(笑)
人は変わるし、
いつまでも過去の姿を求めても詮無いこと。
その分、
別の世界を響かせてくれるだろうし。
●第一、こんなに長々書いていること自体、彼女に魅力がある証拠でもある。
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