先日のライブのMCで、
鼻洗いするようになってから、
10年近く風邪をひいていないと言ったら、
同級生のドクターGからクレームがついた。
ドクター曰く、
ぼくが風邪をひかなくなったのは、
年取った証拠なのだそうな。
つまり、
もうあらかたの風邪をひいてしまって、
免疫が出来たからだというのである。
ドクターは鼻洗いの効用はある程度認めつつ、
そんなことより手洗いの方がはるかに予防効果があると力説。
マスクも、
風邪をひいた人が他人にうつさない効果はあるけど、
予防的にはあんまり意味がないとか。
ドクターの言うことだから、
科学的には正しいのかもしれないが、
ぼく自身の体験もまた事実である。
「非科学的」といえば、
何やら「嘘」とか「ごまかし」的なニュアンスがあるけれど、
要は科学で説明不能だということに過ぎない。
最先端の科学で「非科学的」というような出来事が、
実際に起きるということを、
ぼくらは3.11で嫌というほど味わった。
科学は凄い。
でも、
そんなもんだ。
このあいだフト思ったのだけれど、
世の中の事実っていうのは、
いわば「あ」とか「か」とか、
文字みたいなものではないか。
ある一定量の文字(=事実)があるとして、
その文字を使って意味のある文章が綴れたとしても、
その文章と正反対の意味を持つ文章だって、
綴れるかもしれない。
ある出来事がおきて、
その因果関係をまことしやかに述べる人は一杯いるけれど、
それは、
その事実からそういう物語を作ることが可能だ、
という程度の意味でしかなくて、
全然別の因果関係の物語だって作れるかもしれない。
最後から二番目の恋で、
主人公の中井貴一演じる公務員の発言が、
いちいち正論だけど、
どうでもいいというのは、
おそらくそういうことだ。
大事なのは、
理論や定説や常識なんかじゃなくて、
今そこで起きている個別の経験なのである。
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