2012年4月5日木曜日

緊張

歌う時に緊張しないんですかぁ?


そう尋ねる女性は今日、
仕事で会合の司会をするのだという。


そのことが気になって、
間違って普段使いの眼鏡をかけてきてしまったとか。


笑えるぅ~。


歌はね、
おかげさまでそんなに緊張しないよ。


でも仕事の時は緊張するね


何年たってもそれは変わらない。
職場でベテランと呼ばれるようになったぼくだって、
時には仕事中心臓がバクバクし、
足の血流が止まってむくんで気分が悪くなる時がある。


ただ以前と違うのは、
そういう自分を観察できるもう一人の自分がいるということだ。

そうすれば緊張もまたコントロールできるのだとわかる。
制御できるなら、
緊張というエネルギーは時に、
自分の能力を最大限発揮させてくれる。

慣れて、
惰性で無難な仕事しかしない人は、
たぶん緊張しないだろう。

緊張するということは、
その仕事をリスペクトし、
仕事で接する人を大切に思っている証だ。

ただ、
緊張を制御できるようになるまでの道は長い。

制御出来ない緊張は、
制御不能の原発と同じく悲惨である。
心が暴走してしまえば手のつけようがない。

だからといって、
始めから緊張しないようになることは、
ぼくは勧めない。

たぶんそれは緊張をコントロールするより簡単だからだ。

ぼくは若い人に時々、
「頭がおかしくなるんじゃないかと思うほど考えろ」と言う。

自分を追いつめて、
崖っぷちに立った時、
火事場の馬鹿力が出ることがある。

そういう体験をすることが大切だ。

あぁ自分にはこんな能力があったのかと。

それが自信につながる。

そんなことをあえて言うのは、
追い込まずに無難な線で諦めて、
家に帰ってから、
あぁ~ああしとけばよかったと、
地団太踏んだ経験が何度もあるからだ。

ホームランボールをヒットにしかできなかった、
その悔しさを感じて欲しい。

仕事にもよるけれど、
ぼくの場合、
一期一会というか、
同じ場面は二度と訪れない。

その日の「正解」が、
次の日も「正解」であるとは限らない。

そういう仕事をしていると、
絶対に「その日」を逃すまいと思うようになる。

それでもしくじることは何度もある。

「打率」だけを考えるのなら、
そんなに追い込まなくてもいいのかもしれない。

でも、
それでもぼくはホームランを狙う。

誰も届かないぐらいのでっかいホームランを打ちたいと、
いつもいつも狙っている。

だから緊張をコントロールし、
その日のその仕事に全力を注ぐ。

ぼくにとっての仕事は、
そういうものなんだよ。

●大切な読者のお一人から「プロフィール写真が気に入らぬ」とクレームがありました。似顔絵に戻しました。また読んでくださいね。でも、また変えるかもしれませんけど。

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