ちょっと一瞬だけ待って、
なんて言葉使いをすることがあるけど、
実際のところ「一瞬」ではなく、
数秒とか数分とか、
明らかな時間がある。
それでも「一瞬」という表現を使うのは、
「あんたが急いでるのはわかるけどごめんな」
っていう気持ちを込めるためだ。
枝野経産相が、
5月6日以降、
稼働中の原発が「一瞬ゼロになる」と言った。
北海道の泊原発が5月5日から定期検査入りし、
ついに日本列島のすべての原発が運転を止める。
要は大飯原発の再稼働が間に合わないと認めたわけだ。
再稼働にはそれなりの手続きがあって、
逆算するとそういうことが明白なのだろう。
冒頭の例と照らして枝野の「一瞬」の真意を考えると面白い、
枝野は誰に対して「ごめんやけど」って言っているのか?
国民の大多数が拙速な再稼働を求めていないことは明らかであり、
そういう意味から言えば、
枝野の「ごめんやけど」はアメリカや原子力村ということになる。
「間に合わない」でも「原発ゼロ期間はできるだけ少なくする」という、
メッセージである。
枝野ってあの原発事故の時官房長官で、
記者会見の応接ぶりなどに関心したものだが、
一年もたたないうちにすっかり原子力村の村人と化したな。
見損なっていたわ。
さすがに機を見るに敏な弁護士だけのことはある。
そういえば、
もう一人、
機を見るに敏な弁護士がいたな。
そっちは「脱原発」をうたっているけど、
いつ変節したっておかしくない。
弁護士ってそういうところあるよな。
自分の信念に従ってというより、
すべては依頼人の利益のために動く。
たとえ依頼人が殺人犯であれね。