ご無沙汰だったNHK「未解決事件」、
第二弾はオウム真理教事件だった。
教団発足直後から地下鉄サリンに至るまでに、
麻原彰晃が行った説法を記録した、
実に700本ものテープを独自入手、
最古参の信者にも接触して、
この歴史的カルト教団がどのように生まれ、
巨大化したのかを生々しく伝えている。
修行中の信者が事故死し、
それを隠蔽したのが、
その後の数々の事件の原点であるという指摘は、
なるほどと思った。
組織内での不祥事もみ消しと構図が非常に似ていると。
一度隠すと、
隠したことがバレないようにするため、
また新たに何かを隠す。
秘密を共有することで、
知性も教養もある最高幹部らを、
こうやって抜き差しならない状況に追いつめて行ったわけだな。
視点はズレるけど、
大きな事件があるたびに、
裁判で真相は明らかにならなかったとか、
真実は依然闇の中だとかいうけれど、
これはもう、
「分かる人には分かる」としか言いようがないのだろうと思う。
あの時あの状況の信者にとっては、
そのような考えは思い浮かばなかった、
みたいに語る元信者の証言は本心だろうし、
それが分からない人には何をどう説明しても、
理解することはできない。
突き詰めれば、
それは、
人は他人を完全に理解できないのと似ている。
犯罪者の心理が理解できないというが、
普通に暮らしている人同士でも、
実は同じ事ではなかろうか?
もっと言えば、
戦争に突き進んだ日本軍や、
ユダヤ人を虐殺したナチス、
地震列島に原発を50基も作った日本、
そういうのだって、
当時の人の心理を理解するのは難しい。
ぼくが学生の時、
もしオウムに出会っていたら、
入ってたかもしれないし、
今ごろ塀の中にいたかもしれない。
確か大学の生協に、
麻原が「空中浮遊」する写真が表紙の本があったような記憶がある。
「胡散臭いな」と思っただけだったけど、
あの時、
ちょっとした好奇心で買って読んでいたら、、、
いやマジで、
その可能性はあったと思うわ。
●日曜日の第二夜には、何とあの上祐が出てくるらしい。