2012年12月15日土曜日
慧眼
地震のあとには戦争がやってくる。軍隊を持ちたい政治家がTVででかい事を言い始めてる。国民をバカにして戦争にかり立てる。自分は安全なところで偉そうにしてるだけ。阪神大震災から5年。
俺は大阪の水浸しになった部屋で目が覚めた。TVをつけると5ヶ所ほどから火の手がのぼっていた。「これはすぐに消えるだろう」と思ってまた眠った。6時間後に目が覚めると神戸の街は火の海と化していた。
この国は何をやってるんだ。復興資金は大手ゼネコンに流れ、神戸の土建屋は自己破産を申請する。これが日本だ。私の国だ。とっくの昔に死んだ有名だった映画スターの兄ですと言って返り咲いた政治家。弟はドラムを叩くシーンで僕はロックン・ロールじゃありませんと自白している。
政治家は反米主義に拍車がかかり、もう後もどりできゃしない。そのうち、リズム&ブルースもロックも禁止されるだろう。政治家はみんな防衛庁が大好きらしい。人を助けるとか世界を平和にするとか言って実は軍隊を動かして世界を征服したい。
俺はまるで共産党員みたいだな。普通にロックをやってきただけなんだけど。そうだよ、売れない音楽をずっとやってきたんだ。何を学ぼうと思ったわけじゃない。好きな音楽をやっているだけだ。それを何かに利用しようなんて思わない。せこい奴らとはちがう。
民衆をだまして、民衆を利用して何になりたいんだ。予算はどーなってるんだ。予算をどう使うかってうのはいったい誰が決めてるんだ。10万円のために人を殺す奴もいれば、10兆円とか100兆円とかを動かしてる奴もいるんだ。
一体この国は何なんだ。俺が生まれて育ったこの国のことだ。君が生まれて育ったこの国のことだよ。どーだろう、……この国の憲法9条はまるでジョン・レノンの考え方みたいじゃないか?戦争を放棄して世界の平和のためにがんばるって言ってるんだぜ。俺達はジョン・レノンみたいじゃないか。戦争はやめよう。平和に生きよう。そしてみんな平等に暮らそう。きっと幸せになれるよ。
筆者は忌野清志郎。
恐るべき慧眼。
遺志
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