どうして鍵が壊れていないのか。
自宅へ自転車を漕ぎながら、
ぼくは漠然と考えていた。
自転車を返してもらう時、
その係員は言った。
この鍵は開かへんから泥棒も避けるわ。
その鍵は閉まっていて、
ぼくが持参した鍵で開けた。
あらためて見ると、
マンションなどでも使われている、
ポツポツ穴のある、
ディンプルキーだ。
こんなヤツやと一発やけどな
係員は、
そばに止まっていた別の自転車を、
ポンとたたいてそう言った。
疑問は自宅に着いてからも頭を離れなかった。
可能性は3つ。
①鍵をかけ忘れて盗まれ、その後かけられた。
②鍵がかかったまま、駐輪場の2階から盗み出し、車か何かで運んで放置した。
③係員の太鼓判にもかかわらず、鍵はいとも簡単に開く。
どれも考えられない。
ぼくは嫌な気持ちになってきた。
そうだ。
信じられないけど、
第4の可能性がある。
④ぼくが駐輪場以外の場所に鍵をかけて止めた。
そんな馬鹿な。
あの日だってそれは考えた。
それほど自分を信用していない。
でもそれでもなお、
ありえないと判断したじゃないか。
だってわずか数時間前に、
両脇の自転車の間によっこいしょと止めた、
その手の感触が残っていたんだ。
第一、
駅の近くで自転車を止める用事なんてない。
用事なんて、
用事なんて、、、
ぼくは慌ててこのブログを読み返した。
まず、
自転車が盗まれたのは15日の夜だった。
ぼくは盗難届を出した前夜の17日だと思っていたが、
それがまず2日も違っている。
大変だ。
そして、
はっきりとはしないが、
8日に駅前のTUTAYAでDVDを借りているらしいことも分かった。
一週間レンタルなら、
15日が返却日だ。
大変だ。
ぼくはあの日、
DVDを返すため、
TUTAYAに自転車を止めて鍵をかけ、
そのまま電車に乗って天満に行ったのか。
そしてそのことを完全に忘れて、
駐輪場に自転車がないから盗られたと思いこんだのか。
自転車は3日間もTUTAYAの前に放置され、
18日に撤去されたのか。
言葉もなかった。
そんなにぼくはアホだったのか。
正真正銘の自転車放置野郎が、
自転車盗の被害者になりきって、
返還所であれほどの大見えを切っていたのか。。。。
ぼくは自転車が久寿川にあると聞いて、
自転車を盗んだ奴がそこまで乗って行ったと思っていた。
だが実は駅前で撤去されて運ばれただけだったのか。
すべての状況を考えあわせると、
これに間違いないと、
認めざるを得ない。
そう言えば思いだした感触がある。
日時は確かじゃないけど、
TUTAYAに自転車を止め、
鍵をかけるかどうか迷った記憶だ。
すぐそこの窓口に返すだけだから、
かけなくてもいいかとも思ったが、
万が一乗り逃げされてはと、
結局かけた。。。
たぶんそれが15日で、
ぼくは鍵をかけたことで自転車が盗られる心配がなくなり、
その瞬間、
自転車の存在が頭から消えたのだろう。
穴があったら入りたいとは、
こういう時に使う。
自分の愚かさを自分で暴いていく作業は辛い。
しかし何故それほどの記憶障害を起こしたのだろう。
さらに突き詰めていった時、
ハタと膝を打ち、
そして、
ある感情がこみあげてきた。
我ながら驚くべき結論だった。。。
●もうじき終わります。返還所の係員の人、市役所の人、ごめんなさい。いまさら申し出ませんが、本当にすいません●きょうはその天満「じゃず家」セッションだった。すこしマシな歌が歌えるようになってきたと実感する。
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