小説や映画で、
途中は鮮明に憶えているのに、
結末が思い出せない作品がある。
連載漫画や連ドラでは特に多くて、
要するに途中で飽きて最後まで読んで(見て)ないのだ。
しかしながら、
浦沢直樹の「20世紀少年」は、
ビックコミックスピリッツに連載時から、
欠かさず読んでいたはずなのに、
ラストが思い出せなかった。
この漫画は、
ぼくとほぼ同じ世代の少年時代から始まり、
1970年の大阪万博が大きな役割を担う。
確かにぼくらにとって、
アポロの月着陸と双壁をなす、
血沸き肉踊る、
一大スペクタクルだった。
主人公ケンヂらの空想した、
地球を揺るがす大事件が、
その後現実のものとなり、
解決のために、
元少年たちが奮闘するという、
冒険ものだ。
犯人はだれなのかが最大の謎で、
もぉいい加減にしろっていうくらい、
正体がじらされる。
数か月前、
ブックオフで全22巻を安売りしていたので、
思い切って買って読んで見たら、
あらら、
それでも分からずじまい。
どうりで結末を憶えていないはずだ。
映画公開を機に、
紀伊国屋で全巻が平積みされていたので、
おぉと思ったら、
隣に「21世紀少年」上下巻があった。
これはまだ読んでなかった。
ははは、
下巻の最後の最後で、
ようやく正体がわかった。
それにしても、
連載足かけ8年。
子供時代と大人時代が、
入り組んで、
登場人物もいっぱいいて、
話を広げるだけ広げて、
ぐちゃぐちゃに絡ませた挙句、
最後は作者もどう決着つけたらいいか、
分からなくなってしまったのじゃないかしらん。
結局のところ、
主人公たちは、
少年時代のサビの部分しか思い出せなかったのが、
次第にイントロやエンディングまで想い出していくという行為と、
物語の進行がシンクロしていて、
みんなが忘れていた事を、
ただ一人覚えていた人物が、
いたってことなんだ。
その人物が逆に、
誰からも忘れられていたという、
皮肉な話だ。
●映画の配役はなかなかいいんじゃないかと思う。3部作になるらしい。そりゃ2時間ほどで、この入り組み様を表現するのは無理だ●24時間テレビをやっている。初回の司会は、大橋巨泉と黒柳徹子だった、ですよね?
0 件のコメント:
コメントを投稿