夏の甲子園で優勝するということは、
予選から含めて全勝するということだ。
当たり前なんだけど、
見方を変えれば、
それはつまり、
ある年の夏、
日本中でたった一校、
敗戦を味あわなかったということでもある。
およそ4000の他の出場校は等しく、
ひとつの「負け」をもってその夏を終える。
人生勝ち続けることなんてできやしないから、
人は敗者に己を重ね、
ドラマを感じ、
時に泣けてくるのだが、
栄冠を手にするということは、
一切の影をまとわない、
たった一つの太陽になるということだ。
太陽にドラマはいらない。
敗者の汗も涙も全部蒸発させて、
ただ、
燦然と存在すればいい。
人生連戦連敗のぼくなど、
とても正視できない輝き。
それでも目を細め、
サングラスをかけてでも、
仰ぎ見るまぶしさがあってこそ、
影は影なりに濃度を増す。
●ふいに仕事が休みになったので、ちょっとだけ髪を切った。
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