1985年の夏、
ぼくはアメリカ大陸を旅していた。
長距離バスを乗り継いで45日、
サンフランシスコから反時計回りにぐるっと一周。
青春時代のハイライトだった。
524人を乗せた日航機が群馬県の山中に墜落した8月12日は、
旅も後半にさしかかり、
オハイオ州シンシナティの親戚宅に滞在していた。
「マンモスケイブ」という鍾乳洞の待合室みたいなところのテレビで、
ニュースが流れていたの覚えている。
「クライマーズ・ハイ」(原田眞人監督)を見て、
「あの夏」を思い出した。
航空機史上最悪の事故を報道する地元紙の混乱ぶり。
クライマーズ・ハイ=登山家の興奮状態が極限まで達し、恐怖感が麻痺してしまう状態
見事なタイトルだ。
記者役の堺雅人が素晴らしい。
ヒッチハイクしたり、
牢屋に入れられたり、
バスの中でヤク切れの男が騒ぎ出したり、
巨漢の黒人男に付きまとわれたり。。。
あの夏のぼくも、
クライマーズ・ハイだったに違いない。
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