2009年3月8日日曜日

挑戦

フィギュアスケートの技に人名がついているのは5種類。
ジャンプの「ルッツ」「サルコウ」「アクセル」。
そしてご存知「イナバウワー」とあと一つ。

「ビールマンスピン」である。

片足を後ろに持ち上げて回るアレだ。
意外にもあの技、
最初から「芸術的」と認められたわけではなかった。

1977年当時は、
「アクロバティックで危険」とか、
「ポーズが大胆すぎる」とか、
好意的でない審判が少なからずいたという。

認めさせたのは観衆の支持だった。
採点は割れ続けたが、
皆が喜んでくれるからとビールマンは技を続け、
ついに「芸術的」と受け入れさせた。

女子選手で初めて3回転半を2度、
ひとつの演技で成功させた浅田真央。
そして彼女の最大のライバルであるキム・ヨナ。
彼女らもまた女王であり挑戦者だ。
いやむしろ、
女王であるためには挑戦者でなければならないというべきか。

若い女の子なら、
大観衆の前でみっともなく転倒してよいと思うはずはないし、
自分一人に注がれる視線に怖じ気づきもするだろう。
できれば無難に収めたいはずだ。
その妥協をはねかえし、
チャレンジする気持ちが尊い。

そうだキムのあの、
観衆を射すくめるような眼差しは、
真央の45秒のステップは、
押しつぶされそうな自分を奮い立たせる「意志」そのものだ。



振り返ってこのぼくは、
そんな風に何かに挑み続けたことがあるだろうか。



●スポーツ大陸の感想●ビールマンは五輪の金はとれなかった。でもプロの世界では長らく無敵だったそうだ●侍ジャパン、韓国にまさかのコールド勝ち。あっぱれ。以前はどんなスポーツでも、韓国は日本相手となると気合いが5割増しって感じだったけど、日韓友好が進んだのか今日はさほど感じなかった。あの先発、ニヤニヤしてたし。きっと国では大騒ぎだろう。

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