美智子皇后の若かりし頃、
天皇と結婚した頃の映像を見ると、
いつも「本当に綺麗だなぁ」と思う。
夕べもそんな特番をやっていて、
ちらっと見たのだが、
二人が結婚した昭和34年というのは、
敗戦から14年しか経っていなかった訳だ。
きらびやかな衣装と馬車のパレードなど、
残された映像だけ見ているとつい忘れてしまいそうになる。
当時はまだ敗戦の痛手が日本中に残っていたはずだ。
でも数十年もたつと、
記録されたものだけが「真実」になっていく。
民間から初めての皇族入りで、
インタビュー映像を見ると、
皇族の一員になるにあたって、
自分が生まれ育った民間の名を汚さぬように頑張る、
みたいなことを言っていて、
単純にすごいなと思った。
普通なら「皇室の名を汚さぬよう頑張る」だろう。
民間出身(という言い方も変だけど)ということを誇り、
その代表として皇室に嫁ぐのだという意気を感じた。
と同時に、
当時は民間と皇室の距離が今よりずっと近かったのではないかとも思った。
ぼくの感触からいっても、
皇室報道というのは年々洗練されてきたけど、
その分逆に庶民との距離感は広がったのではないか。
「洗練」といえば聞こえはいいが、
要は壁を見えなくしただけではないのか。
壁はドーンと見えるうちはまだマシで、
皇室と民間の壁は消えたけど、
実は双方海を挟んで離れ離れになってしまったみたいな。
同じようにこの世には、
暴力も、
差別も、
搾取も、
偏見も、
抑圧も、
苛めも、
本当は前よりずっと激しく存在しているのだろう。
皇后の「逸話」が語られる度に、
「マサコサマ」を不憫に思う。
外務省でバリバリ働いていたのにねぇ。
見えない壁の彼方で、
インターネットも、
包丁使った料理も、
きっとさせてもらえないんだろうなぁ。
いつまでも洗練されない作り笑い。
前は好きではなかったが、
今はあれが一番正直なんだなと思う。
●「マサコサマ」同学年なんだよねぇ●ペンギンさんは今日はご機嫌で挨拶してくれた。ぼくも嬉しくなった。
0 件のコメント:
コメントを投稿