2009年3月6日金曜日

無限

酒に女に博打が滅法好き。
それでいて囲碁が恐ろしく強い。
そんな「最後の無頼派」と呼ばれる棋士藤沢秀行のドキュメントを、
NHKで再放送していた。

以前「野垂れ死に」(新潮選書)を読んだことがあるくらいだったが、
4年前の撮影時点で79歳の彼は、
3度のガンでもう枯れ枝のようになっていて、
足取りも危なっかしく、
「豪放磊落」という形容詞は面影もない。

でも頭脳は別だった。
現役は退いたものの、
勉強会では現役のトップ棋士を叱咤し、
中国に招かれて若手の指導をする。
枯れているようでいて、
実は全然そうじゃないあたりが、
同じNHKで先日やってた吉本隆明とそっくりだと思った。

「碁は無限」だと言われる。
18×18枡。
その広がりはスパコンでもいまだ足元にも及ばない。
その無限に挑み続ける男の年老い方。
ほろ酔いの時に「夢は何ですか」と聞かれ、
ポツリと言った一言が凄い。

「もうちょっとマシになること」だって!


●元町のペンギンさんが頭を抱えていた。ペンギンさんも悩むのか(笑)●久しぶりにJamJamで1時間過ごせた●WBC開幕。

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