2009年3月5日木曜日

会得

長嶋茂雄(ミスター)が、
奇行や迷言の宝庫なのは有名だ。
中でもぼくが一番好きなのは、
水戸黄門を欠かさず見るというやつで、
毎週8時前になると自宅和室に座布団を敷き、
一人正座して「鑑賞」するらしい。

で、
面白いのはここからで、
印籠を出す寸前になるとTVを消してしまうという。
「あとは同じだからいい」だって!



そのミスターはバッティングの指導も風変わり、
というか意味不明らしい。
「そこはバッと振れ」とか、
「ドーンと当てる感じ」とか、
要するに擬音語が多くて、
教わる方は何が言いたいのかわからないのだそうだ。

では、
ミスターは指導者失格なのだろうか。



なるほど、
「グリップの位置は方より3センチ上」とか、
「腰の回転は背骨を軸にして」とか、
教則本には「わかりやすく」書かれている。
「わかりやすく」というのは、
「誤解を招きにくい」ということなのだけど、
しかし恐らく、
この説明にはバッティングの肝心のところは欠落している。

その肝心のところとは、
言葉で表現するなら結局、
「ビシッ」とか、
「グイッ」とかにならざるを得ないんだと思う。

数学や物理なんかと違って、
体を使うことに関しては、
指導はすべてオーダーメイドしかありえない。
本で学ぶなら、
めいめい自分流にアレンジするしかない。



「正解」は自分の中にしかない。


●昔、岡八郎のギャグに、空手を通信教育で習うというのがあったけど、その面白さと同じことだ●ウォークマンが依然行方不明。仕方がないから同じ物を買おうとしたら、既に製造中止になっていた。新製品は機能満載だけど、ぼくには不必要なので、同じ物を中古屋さんで手に入れた。

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