2009年5月4日月曜日

官僚

宇宙から眺めた地球には、
国境線などなかった、
といった宇宙飛行士がいたと思うが、
現実には「国境線」を巡って人類は、
絶え間なく戦争し、
それは現在進行形でもある。



「国家」とは何か。
「社会」とどう違うのか。



佐藤優という元外交官は、
鈴木宗男がらみで逮捕されたので有名だが、
近年盛んに著述活動をしていて、
実体験に基づいた国家観はとても刺激的だ。

「テロリズムの罠(左巻)」(角川oneテーマ21)
を読み始めたら、
まだ序章の途中なのだが、
線を引くところが多くて嬉しくなる。

「国家はその本質において、合法的な暴力を独占する機関である。国家は抽象的な存在ではない。国家として思考し、行為する実体は、官僚だ。新自由主義が理想とする『小さな政府』とは、国家機能から福祉、教育などの分野を削り取り、治安、外交、防衛に国家機能を極力限定していこうという発想だ」

「政治家」でも「公務員」でもなく。
「官僚」である点が重要だ。

「国家は、社会と渾然一体になっているが、本質的に社会の外側に存在する。国家を実体的に担う官僚階級は、社会から租税を収奪することによって生活している」

人間が集まれば社会はできるが、
国家と決定的に違うのは租税の有無だ。
過激な表現をすれば、
民主主義国家であるはずの日本も、
実は搾取する者とされる者、
つまり、
官僚とそれ以外に分かれる。

官僚、
とりわけ財務官僚などは、
間違いなく自分たちが国民を支配していると思っているだろう。

官僚=公僕などと思っていたら、
大間違いなのである。


●情熱大陸は五代目尾上菊之助。厳然とした型を継承しつつにじみ出る個性ってすごいな。

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