2009年5月18日月曜日

勇者

「キリヤ」なんて苗字、
滅多にないから、
ひょっとしたらと思ったら、
やっぱり宇多田ヒカルの元夫紀里谷和明だった、
きょうの情熱大陸。

理知的なイメージがあったのだけど、
青春映画並みに熱そうな男だったので驚いた。

イメージといったって、
結婚と離婚の時の顔写真しか知らないわけだから、
こちらの勝手な思い込みだが。

それにしても、
これまで一応謎めいていた彼が、
いきなりこんな番組に出たのは、
5年がかりで作った映画「GOEMONN」の宣伝のためらしい。



何でも中学卒業を待たずに渡米したとか。
写真、
PV、
映画、
どれも独学で学んだそうだ。

うまく表現できないのだが、
どうも「良い意味」で胡散臭い。

渡米をただ一人応援してくれたという、
中学校の恩師と会っては大仰に涙ぐむ。
ロスの一人住まいという、
やたらでかいキッチンでは、
十穀米と、
プロテインとサプリをジューサーで混ぜて、
ジューサーに入ったまま飲む。

「悪い意味」で、
子どもがそのまま大人になった感じ。
YOSHIKIと10年来の知り合いというのも、
怪しさ満天じゃないか。

わざと自分を追い詰め、
そんな自分に酔っているようにしか見えないところが、
辛く笑える。

しかし、
東京の体育館に、
1000人もの観客と記者を招待して、
大々的に完成発表したのに、
翌日のスポーツ紙にベタ記事扱いされていたのは、
余りに可哀そうだった。



とはいえ、
実はぼくは彼がうらやましい。
うらやましくて仕方ないのだ。

中学生の時、
ぼくもアメリカに行きたかった。
こんな国を飛び出して、
世界を見てみたかった。

たとえ他人に笑われても、
自分のやりたいことをやり抜くこと自体は、
とっても素敵だし、
どれほど嘲笑を浴びようとも、
笑うだけの人より何億倍も勇ましい。

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