2009年5月11日月曜日

深夜

煙草を切らしたので、
この時間にも関わらず近所の自販機に買いに出る。
歩いて300歩ほどの所なのだが、
この時間はさすがにTシャツ一枚では肌寒い。
でも、
サンダルの足では駆け足する気にならない。
ゆっくり足を進める。

今日はすでに月曜日だ。
どの家の明かりも消えている。
月がまん丸く輝いている。

明日は何をしようか。
映画を見に行こうか。
それとも皮膚科に行くのが先決か。
ぼくはアトピー性皮膚炎があるのだ。

自販機に小銭を入れると、
「商品を選んでください」と機械が言うのだが、
その音量がやたら大きく、
近所迷惑じゃないかといつも思う。
できるだけ素早く商品ボタンを押し、
タスポをかざす。

そのあと飲料水の自販機に向かう。
何か気分をしゃきっとさせたかったのだ。
サイダーかコーラ。
無糖のコーラが最近はあるんだな。
久しぶりに買ってその場で飲んでみたら、
思いのほか美味しく、
狙い通りのどがすっきりした。
同時に過去の記憶がよみがえった。

帰り道、
再び月を見上げる。
この瞬間、
地球上で同じ月を眺めている人は何人いるだろうかと、
ふと考えた。

●アカデミー賞をとったアニメ「つみきのいえ」の作者がトップランナーに出ていた。水中に没して朽ちたベッドを眺めていると、かつての幸せだった生活が思い出されるシーンがあって、たぶん番組で紹介していたから、このアニメの「いいところ」なんだろうけど、ぼくには10年前のタイタニックの焼き直しにしか見えなかった。アメリカ人はこういうのに弱いのだろうか。大変な手間がかかった作品だということは理解できた。●「ドクター・ハウス」の4話を見る。医者や医者の卵には専門的な部分が面白いのだろうが、素人には患者が実験動物になってしまっているようで、まだあまり好きになれない●「終の住処」は読み終わった。大変な密度の作品で一気に読了したが、理解するには、繰り返し読むしかないと思った。最近の若手の小説には、一人称と三人称を混在させたり、視線や場所や時間の飛躍や混濁がみられるものが多い。これは明らかに日本人の精神構造の変化を象徴しているように思われる。

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