2009年9月10日木曜日

矜持

プロ野球横浜ベイスターズの工藤公康投手は、
46歳でなお1軍で投げていることそれ自体驚異だ。

しかし、
最近は敗戦処理的な使われ方しかせず、
それでも淡々と投げる様は、
それが現実の力とはいえ、
多少悲しい気もする。


岡田J対ガーナ戦は、
1-3になった時点で99%負けたと思ったが、
後半、
5分間で立て続けに3点入れて、
まさかまさかの大逆転。

4点とも日本得意のセットプレーではなく、
流れの中でのシュートであり、
日本代表史上、
画期的な試合になった。

こうも綺麗にいくと、
逆にガーナが弱いだけではと思ってしまう卑屈さが、
日本人の悪いところかもしれない。


にしても、
稲本の活躍にはシビれた。
ヤンチャ坊主の印象が強かった彼もじきに30歳。

2001年からずっと海外クラブでプレーしているものの、
最近は代表に招集されてもベンチを温めてばかりだったが、
後半18分に投入されたこの日の彼は、
岡崎の頭に合わせたピンポイントクロスといい、
態勢が崩れながらもゴール左隅に蹴り込んだ決勝点といい、
一瞬にして圧倒的な存在感を示してみせた。

きっと胸中では狂喜乱舞していたはず。
でもインタビューの言葉がいい。

「いいボールがきたので、コースを狙って打った。向こうの中盤が空いていたんで、スペースを狙った」

さらりと語る姿に矜持を見た。


世代交代は避けられないし、
それがない世界は衰退するしかないのだが、
ベテランのこういう決定的な仕事を見れて、
こちらが狂喜乱舞した。

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