2009年9月21日月曜日

誤用

「リベンジ(Revenge)」を「雪辱」という意味で使うのは、
日本のスポーツ界でよく見られるけど、
その用法が一般化したのは、
西武ライオンズ時代の松坂大輔投手が使った1999年からだ。

言うまでもなく、
リベンジの本来の意味は「復讐」だ。

「スターウォーズ ジェダイの帰還」(Retrun of Jedi)
は最初「Revenge of Jedi」だった。
ジェダイの騎士に「復讐」はないだろ、
ということで変更になったという。












この写真は結構有名で見た記憶がある人も多いだろう。
戦場の写真であることは一目瞭然だけど、
いつ、
どこで撮られたものかまでは知らなかった。

「父たちの星条旗」(クリント・イーストウッド監督)を見て、
この写真に隠された秘話があったことを知った。

これは第二次大戦中の日米両軍による硫黄島の戦いで、
米軍が摺鉢山(すりばちやま)を攻略した時のものなのだが、
実はこの写真の前に一度星条旗は立てられ、
この写真は同じ日にあらためて立てなおされた時の模様だという。

ところが最初の掲揚の写真より、
2度目であるこの写真が有名になってしまい、
映っている米兵のうち3人が、
生き残って「英雄」として帰還する。


映画は、
英雄にされてしまった米兵の苦悩を描く。

本当の英雄はぼくたちではなく、
戦場で死んでいった多くの仲間だと、
彼らが何度呼びかけても、
誰も耳を貸さない。
ついには一人が精神を病んでしまう。


この写真はやらせではなかった。
嘘でもなかった。
でも、
「最初」ではなかった。

米国にとっては、
硫黄島を攻略したという象徴が欲しかっただけなのであり、
出来のいいこの写真は、
戦時国債を売るうってつけのPR材だった。













こちらは最初の掲揚の写真。
こちらの方が生々しく思えるが、
2度目の方が「ドラマチック」に見える。
もし最初の写真が使われていたら、
国債の売れ行きも、
3人の人生も全く違っていただろう。

何かが独り歩きする怖さを自戒したい。


●かなりややこしい話なので、詳しくはウィキペディア「硫黄島の星条旗」を参照下さい●武庫之荘「Mクアトロ」で田中美幸(パティ):Vo、西脇敦子:Pf、高畠博文:Bs、宮原利之:橋本現輝:Drのライブを鑑賞。パティさんは、昨年この店で一緒にライブをさせていただいた仲。相変わらずハスキーな「色っぽい声」でした‼

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