国旗を逆さまに掲揚することは、
「国家の非常事態」を意味そうだ。
「告発のとき」(ポール・ハギス監督)で初めて知った。
ならば日の丸はどうなのだろう?
逆さまにしてもわからん。
ということは、
常に非常事態ともいえる。
それはともかく、
「ミリオンダラー・ベイビー」の脚本家が監督だけに、
間違いなく脚本の腕は超一流。
この人の作品ならまず、
何を観ても間違いはないと確信した。
イラク戦争から帰還したはずの息子が、
悲惨な死体となって発見された謎を父親が探るという、
一応ミステリー仕立てになってはいるが、
実際はイラク戦争帰還兵の後遺症という、
生々しい問題を扱っている。
謎解きにあたって、
父親が元軍警察の軍曹だったという設定が、
かなり有利に働いており、
ご都合主義的ともとられかねないところだが、
脚本の上手さプラス、
トミー・リー・ジョーンズら名優陣に、
最後まで持っていかれた。
帰還兵ものとしては、
「ディア・ハンター」(マイケル・チミノ監督)という傑作があったな。
一連の「ランボー」だってそうだ。
まともな人間は戦場では生き残れない。
どんな人も狂気をはらんでいくし、
そうなることを拒めば、
きっと死がすぐに待ち受けているのだろう。
多くの元兵士は、
自分の中の狂気に気づかされ、
それは帰還して英雄と奉られようと、
一生その人の中から消えることはないだろう。
ところで、
この作品の原題「IN THE VALLEY OF ELAH」とは、
旧約聖書のダビデとゴリアテの故事に由来するのだそうだ。
確かに原題では日本人には何のことやらわからんのだが、
「告発のとき」という邦題も、
観終わった今となっては違和感が残った。
●住吉でチョコパが精一杯の一日だった。
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