2009年9月13日日曜日

国旗

国旗を逆さまに掲揚することは、
「国家の非常事態」を意味そうだ。
「告発のとき」(ポール・ハギス監督)で初めて知った。

ならば日の丸はどうなのだろう?
逆さまにしてもわからん。
ということは、
常に非常事態ともいえる。


それはともかく、
「ミリオンダラー・ベイビー」の脚本家が監督だけに、
間違いなく脚本の腕は超一流。
この人の作品ならまず、
何を観ても間違いはないと確信した。


イラク戦争から帰還したはずの息子が、
悲惨な死体となって発見された謎を父親が探るという、
一応ミステリー仕立てになってはいるが、
実際はイラク戦争帰還兵の後遺症という、
生々しい問題を扱っている。

謎解きにあたって、
父親が元軍警察の軍曹だったという設定が、
かなり有利に働いており、
ご都合主義的ともとられかねないところだが、
脚本の上手さプラス、
トミー・リー・ジョーンズら名優陣に、
最後まで持っていかれた。


帰還兵ものとしては、
「ディア・ハンター」(マイケル・チミノ監督)という傑作があったな。
一連の「ランボー」だってそうだ。

まともな人間は戦場では生き残れない。
どんな人も狂気をはらんでいくし、
そうなることを拒めば、
きっと死がすぐに待ち受けているのだろう。

多くの元兵士は、
自分の中の狂気に気づかされ、
それは帰還して英雄と奉られようと、
一生その人の中から消えることはないだろう。


ところで、
この作品の原題「IN THE VALLEY OF ELAH」とは、
旧約聖書のダビデとゴリアテの故事に由来するのだそうだ。

確かに原題では日本人には何のことやらわからんのだが、
「告発のとき」という邦題も、
観終わった今となっては違和感が残った。

●住吉でチョコパが精一杯の一日だった。

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