東京からこの春出向してきたT君とは、
深夜帰宅のタクシーで相乗りになることが多い。
車内での話題は当然のように、
ぼくが東京に出向していた当時の、
御世話になった人たちの事になることが多い。
あのころ新人だった若い人が、
ずいぶん重要な仕事をしていたり、
当時すでに偉かった人は、
もっと偉くなっていたり。
当然その反対のケースもある。
そりゃそうだ。
あれからもう5年だ。
多くの水が流れたのだ。
浮かびもせず、
沈みもせず、
相変わらず同じような仕事をしているのは、
ぼくぐらいのものだろう。
そういう意味で会社でのぼくは、
係留された気球みたいなものだ。
上昇することはないけれど、
無理やり地上に降ろされることもない。
いずれ内部のガスが減って、
自然に高度が下がるのを、
周囲の人はただ見ているだけだ。
もっと高いところからの景色が見れないのは残念だが、
さりとてここからの眺めも悪くはない。
上に行けば行ったで苦労もあろうし。
案外、
居心地のいい場所を、
キープできているのかもしれない。
これそ「漂えど沈まず」
●ウィンブルドンで伊達がビーナスから1セット奪い、もう少しで勝てるところだった。感動した。
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